スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

技術は誰の物か

最初にクリックしていただけるとありがたいです。

人気ブログランキングへ


本題に入る前に、自然再生エネルギーの問題がここでも明らかになった記事がある。

赤文字は引用

太陽光電力購入、42円軸に 1キロW時、経産省調整

 7月から始まる自然エネルギーの固定価格買い取り制度で、住宅用と業務用の太陽光発電は1キロワット時あたり42円での買い取りを軸に調整していることが23日わかった。発電事業者側の希望におおむね沿う水準で、経済産業省の「調達価格等算定委員会」が25日にも案を示す予定だ。

これは私が以前から言っているように極めて不公平なシステムであり、決して日本のエネルギー政策に対し貢献しない。何度も繰り返しているが、自然再生エネルギーによる発電にはまず次のような問題がある。

1)設置コストが極めて高いため、個人で設置するにはそれ相応の資産を有する個人のみが設置可能になるが、その設置に際しては高額の公的補助金が与えられる。即ち、太陽光パネルを例にとっても資産家のために、資産のない人間達が公的資金という形の負担を強いられる。

2)再生エネルギー法が実施され、電力会社がこれによって発電した電力を強制的に買わされても、電気会社はそのまま売るわけには行かない。一般家庭から個々に送られてくる電気は電圧や周波数などが細かくバラバラであり、それを均一にならす必要がある。喩え同じ周波数の電気でも、位相のズレを調整しなければならないなどがあるが、その際かなりの電力の無駄が出る。これは電力会社側の損失となる。また、その電気の均一性を保つために特別な設備が要るが、この設備コストも電力会社が負担することになる。

3)売る側の要求に沿って買電価格が決められと言うが、これは一般の商業活動とはほど遠い。まず一般商品で強制的に買わなければならない商品など存在しない。あくまで買い手の選択でありその場合でも需要と供給のバランスによって価格が決まる。しかし、今回は売り手の希望に添って買電価格が強制的に決められているが、それは売り手の設備投資額を反映した物だろう。

一般の商品は、コストは無関係であり、あくまで売れる価格は需要と供給の妥協の産物であって、その価格にコストがあわない場合はその商品は生産出来ないことになる。

以下に不良製品であっても売り手の指し値で買い手が強制的に買わされる商行為があってはならない。なぜなら、其の負担は、いずれ国家が税金に上乗せしなければ回収出来ないからだ。

今回、42円/1Kwだというが、現在の電気代は、地方、契約形態、使用量などで変わる物の大体昼間の一般家庭電力で基本料金も含め20-25円/Kw 平均と言うレベルだ。つまり7月から電力会社が強制的に買わされる電力量は売値のおよそ倍と言うことになるが、前述したように電力会社側の新たな設備コストや電気の安定化に伴う損失を上乗せすれば、もっと差が開く。たとえば50円/Kwなどにもなるだろう。

これは昼間の電力料金であって、夜間電力は8円/Kw位の物だし、動力用の電気はもっと安い。

その差額を電気会社はどうしても一般に売る電気代に上乗せする以外カバー出来ない。

一部の人間が高額の公的補助金と売電による利益で、それなりに電気代を減らせるのだろうが、その差額は直接間接に一般の、そのような発電設備を買うことの出来ない人間が強制的に負担させられる。これが許されることなのか。

さらに、もしその気になれば、発電設備を公的資金で作り、その発電量を全て電気会社に売り自分は20円/Kwのの電気を使うこともありうる。その方がよほど利益になる。むろん、実際はこのようなことは許されないだろうが、名義の細工などでは可能ではないのか。配線を別にするなどで技術出来にはごまかしは十分可能だ。

自然再生エネルギーの開発はむろん良いだろう。が、それは見通しが付いて、国民全体の負担を将来取り返す目処が立つ場合だ。が、現時点ではその見通しは一切立っていない。むろん、今の時点では、自然再生エネルギーで発電される量は全体のごく一部だろうから、喩え逆ざやが生じていても全体に及ぼす影響は小さいだろう。が、この仕組みのままだと、自然再生エネルギーが普及すればするほど、この不公平が拡大することになる。単に自然再生エネルギーは綺麗だ、自然だとのイメージでこのような馬鹿なことをすると、本当に日本経済がおかしくなるのではないのか。

私は日本経済の構造は他国と違い物作りに基本を置いているので、富の創出が出来るから経済が沈滞する兆候はないと何度も書いているが、同時に民主党政権が続けばおかしくなるとも書いている。先のことを何も考えず、単に国民受けのする方策としてこのような不公平な法案を作り、それに同調した野党も、そして異議を唱えないお花畑も、この国が何故経済を成り立たせているか基本を本当に理解していないとしか思えない。

次のような記事を読むと、日本の物作りは本当に大丈夫かと心配にはなる。


韓国サムスンが日本人技術者引き抜き加速、人材戦略弱い国内勢

2012年 04月 23日 11:46 JST

[東京 23日 ロイター] 韓国サムスングループが日本人技術者の引き抜き攻勢を強めている。巨額の赤字に苦しむ国内電機各社による事業縮小と人員削減。開発環境や処遇が悪化すれば優秀な技術者が自ら会社を離れても不思議はない。

要求さえる技術というのは常に入れ替わる。しかし、一人の技術者が身につけることの出来る知識は限られている。私の例で恐縮だが、私は元々アナログ技術を学び身につけた。しかし、時代の流れでどうしてもデジタルを学ばざるを得ず、ほぼ独学でデジタル技術を身につけたが、いかんせん最新のデジタル技術を学び身につけることは出来ていない。が、これも時代の要求が変わったのだからと納得している。

このようなことは今の入れ替わりの激しい技術の世界では何処でも起きているのではないのか。ワープロが登場して、町のタイプ屋さんは姿を消した。プリンターやコピー機が普及して、町の軽印刷屋さんは大打撃を受けている。電子ブックが急速に発展し、現実に紙による出版は縮小を一方的に迫られ、例えばエンサイクロブリタニカなどは紙による出版を取りやめた。

音楽産業も、ダウンロード方式が主流になりつつあり、CDが急速に消えつつある。

このように技術が数ヶ月単位でめまぐるしく変わる時代、少し前まで最先端の技術を身につけていた人たちが働き場所が無くなるのだ。すぐに新しい技術に移行出来る人はよいが、みんながそうだとは限らない。大変な時間とエネルギーを費やして身につけた技術が、要求されなくなれば、それを要求する会社に移るのは当然だろう。責めるわけにはいかない。

ここに二つの問題がある。

一つは自分が大変な努力をして学んでいる技術が本当に使えるのか、身につけた頃には古くなっているのではないかと思うと、おちおち本腰を入れて学んでいることが不安になる。

もうひとつは、仮に会社が新しい技術を必要とした場合、自分にさせるか、或いはその技術を持った人間を高給で雇い入れるかと言う不安だ。

サムソンは、そこに目を付けていると言える。今回、エルビータが破綻し、多くの半導体技術者がエルビータを離れ、韓国企業に移るだろう。それを裏切りだ、売国だと言っても仕方がない。彼等を活かせない会社が悪いのだ。

東京電力も相当叩かれているが、現実には東京電力の一般的技術は非常に高い。多くの技術者が中国辺りに流れていると言われている。

日本が先行する技術が人材とともに流出すれば、大きな競争力格差が生じかねず、逆境の今こそ持ち前の技術をビジネスに活かす人材戦略が必要だ。

会社にとって技術の移り変わりに対応するには、社内の人間を育てるよりも余所から買った方が早い場合は確かにある。ただし最終的に、自前の技術を社内の人間によって培った方が会社としての技術力は絶対に違うので多くの会社は、あくまで社内の人間に設備を与え時間を与え、リスクを冒しながら研究させる。その技術が物にならなくても、会社の技術者は給料を保証されるが、それまでに費やした開発費は会社が損失としてかぶるわけだ。

そうなると、技術者が身につけている技術は決して彼個人の物ではない。それを彼が、高給で誘われたからとそちらにその技術を持って行くことはある意味横領だろう。

似たようなことがあの白色発光ダイオードの発明者の、発明に対する功労金裁判だ。あれはどう考えてもおかしいと思う。あの技術者は会社という環境の中で、会社の設備を使い、リスクを会社に肩代わりしてもらって開発したのであり、決して彼一人の力で成し遂げた物ではない。

技術者の技術は彼一人の物ではなく、彼一人の自由になる物ではないが、日本の場合その認識が会社にも技術者にも希薄なのだろうと思える。

1994年からサムスン常務として約10年勤務し、現在は東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター特任研究員の吉川良三氏はサムスンに「一本釣り」された1人だ。64年に日立製作所に入社後、ソフトウェア開発に従事。89年には日本鋼管(現JFEホールディングス)のエレクトロニクス本部開発部長として次世代CAD/CAMシステムを開発していた。87年にサムスングループ2代目会長の李健煕氏から直接誘いを受けたが、いったん断った。それから数年経った後、再び李氏から自宅へ直接、電話があり決めた。

このような話を聞くと、この吉川氏は自分の技術が自分個人の物との認識を持っていたのか、日立や日本鋼管が技術者を手放すとき、その技術が何処に属するのかを考えなかったのかが私には分からない。が、実際に技術者は自分の生活のために努力をしたのも事実だ。その生活をよりよくするために、高給に誘われるのを全て断れとも言えないだろう。

ただサムスンは現在でも多大な時間とコストを要する「開発設計(科学技術の開発)には力を入れておらず、その部分は先行メーカーをキャッチアップすることで補っている」(吉川氏)。何年もかけて生まれた新技術でも製品化されるものは少なく効率が悪いためだ。日本企業の開発設計レベルは高く、ここに日本人技術者が必要とされる意味がある。技術者1人を引き抜いても開発が進まないことも多いため、開発チーム丸ごとを引き抜くケースもあるという。

サムソンのやり方は、世界では決して珍しくはないが、それに対する方策が日本には全くないとしか思えない。シンガポールなどは資源も国土もないので、最先端技術を売ることで経済を作る方策を立て、世界中の優秀な科学者や技術者を破格な高給で誘い、膨大な研究資金を提供している。ただし、一年で目立った業績が上げられなければ契約はそこでうち切られる。

サムソンは自力で技術開発をしない。全て他国の(ほとんど日本)の技術者を一本釣りすることで最先端の技術を物にする方式を採り確かにある程度まで業績を伸ばしたろうが、この方式では絶対に日本を凌駕することは出来ない。リチウム電池がよい例であり、韓国産のリチウム電池は頻繁に爆発事故を起こし居ている。アメリカのベンチャー企業、テスラモーターは汎用リチウム電池で電池自動車ボルトを開発したが、韓国の電池が相次いで爆発し、結局ボルトの発売を一度停止した。今パナソニックと電池購入の話をしているそうだが、曰わく韓国に電池の問題を問いあわせても、がんばります、改良しますと言う返事しか返ってこない、パナソニックだと極めて詳細なデータと共に明確な答をくれるので、阪神出来るとのことだ。

先のヘッドハンターは、「その場しのぎのリストラは自らの首を絞めかねない。やむを得ず手放す技術者でも、せめてグループ内の子会社やサプライヤーに再配置するなど自社に利益を還元できる場への移籍にとどめるべきではないか」と話す。経済産業省・知的財産政策室の石塚康志室長は「今は自分たちに必要なくても、競合にとって価値ある技術を持つ人材かどうかを分析するなど、日本企業は目に見えない人的資産の棚卸をもっと緻密にすべきだ」と指摘する。

日本企業は物作りに優れているから強いと私も思うが、しかし、シャープの身売り、ソニーの凋落、山水の破綻、エルビータの破綻などを思うと、そこに技術の管理が極めて甘いような気がする。日本は最先端の技術を有すると言うがそれは非常に多くの投資をし、多くの無駄を超えて一部がそのような成果を上げているのだ。また、喩えその時は芽が出ない技術でも、高い技術を支える基本であることは間違いない。したがって、物にならない技術だからと簡単に手放すことは、それにかけた投資を無駄に捨てていることになるだろう。

サムスン経営陣がスピード感のある意思決定やマーケティング戦略を実践しているのに対し、日本にはそうした経営者が少ないと話すのは、経営コンサルティング大手アーサー・D・リトルの川口盛之助アソシエート・ディレクター。技術力があっても、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が創り出すようなヒット商品に結び付けられないところが今の日本の電機メーカーの問題点であり、日本企業が優先すべきは「技術をうまくビジネスに育てる能力に優れた人材の発掘だ」と提言している。

サムソンは非常に問題のある会社で、ここに書かれているような優秀な企業とは思わない。その場しのぎで形を作っているだけであり、テレビやモニターのシェアが世界一だ等と言っているが、そもそもそれらの製品はすでに大量生産薄利多売の分野にあるのであって、シェアが高いから利益が大きいわけではない。

サムソンの日本人技術者あさりは腹立たしいが、日本企業も技術は誰の物かと言う意識から考え直す必要があるだろう。ビジネスが技術を活かす必要は当然ある。ソニーの凋落などはまさに、技術とビジネスが結びついていなかったからだろうし、それはエルビータ、山水、シャープ全てに言えるのだろうが、そこの技術を国家が買い上げるなりまとめるなどのシステムをもっと考えるべきだろう。

消費税を上げて福祉にばらまくより、物作りのための一貫した投資をするのが国家の役目と思うし、そのためには個人の物ではない技術を国家が管理するなどの事も考えて良いのではないのか。

上記に引用されているURLの記事を読む場合は下記の「続きを読む」をクリックしてください。但し、内容確認以外なら、敢えて読む必要はありません
以下は参照用の資料ですので、確認をされる以外はあえて読む必要はありません。

太陽光電力購入、42円軸に 1キロW時、経産省調整

 7月から始まる自然エネルギーの固定価格買い取り制度で、住宅用と業務用の太陽光発電は1キロワット時あたり42円での買い取りを軸に調整していることが23日わかった。発電事業者側の希望におおむね沿う水準で、経済産業省の「調達価格等算定委員会」が25日にも案を示す予定だ。

 買い取り価格は太陽光、風力、地熱、中小型の水力、木材などを使ったバイオマスの計5種類で決める。それぞれの発電にかかる費用と適正なもうけをもとに決めるため、同じ種類の発電方法でも規模別に価格を計算する。7月に施行される再生可能エネルギー特別措置法により、電力会社は定められた価格で一定期間、全量買い取ることが義務付けられる。

 太陽光では、業界団体の太陽光発電協会が委員会の意見聴取に対し、42円が適切とする希望を出していた。一方で、太陽光のパネル価格は今後急速に下がる可能性があり、もう少し低い価格が適正だとの指摘もある。



韓国サムスンが日本人技術者引き抜き加速、人材戦略弱い国内勢

2012年 04月 23日 11:46 JST

[東京 23日 ロイター] 韓国サムスングループが日本人技術者の引き抜き攻勢を強めている。巨額の赤字に苦しむ国内電機各社による事業縮小と人員削減。開発環境や処遇が悪化すれば優秀な技術者が自ら会社を離れても不思議はない。

日本が先行する技術が人材とともに流出すれば、大きな競争力格差が生じかねず、逆境の今こそ持ち前の技術をビジネスに活かす人材戦略が必要だ。

<年収10倍の提示も>

「ここ半年、人事担当役員が直接、コンタクトしてくる」――。某大手ヘッドハンターがサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)などサムスングループによる日本人技術者引き抜きの様子を打ち明ける。これまでは日本に常駐するヘッドハンティング専門部隊が打診してきたが、最近は給与を即決できる役員からの「一本釣り」も多いと語る。

ハイテク業界で10年以上のキャリアを持つこのヘッドハンターによると、普段は東京、横浜、大阪に常駐している各10人前後のサムスンのヘッドハンティング部隊が独自に作成した人材候補リストを手に定期的に電話をかけてくる。だが、このところは役員が直々にヘッドハンターに働きかけ、年収の交渉に応じるなど採用のスピードを早めているという。

ロイターが独自に入手したサムスンの人材候補者リストには数十人の名前が並ぶ。社名、所属部署、年齢(30―50代)、会社と自宅の電話番号、メールアドレス、実家の住所まで入っている人もいる。技術者の担当分野はリチウムイオン電池、太陽光発電、エアコンのインバータ技術などで、いずれも日本企業が最先端の領域。勤務先はパナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、ダイキン工業(6367.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)などだ。

ある技術者に提示されたサムスンの処遇はこうだ。役職は取締役。年収は6000万―1億円で、契約期間は3―5年。年収とは別に、転職に伴う契約金が数千万円支払われる。専属秘書と運転手付きの車が支給されるほか、30坪超の家具付きマンションが無償貸与される。日本への帰省費用、家族の韓国への招待等も会社が実費負担する。

ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)やパナソニックの技術者らによると、部署や職種、残業の有無などによって多少違いはあるものの、両社の40代技術系社員の年収は800万―900万円前後。人員削減にとどまらず、業績悪化に伴う一律賃金カットも優秀な人材ほど士気が下がるという。所属部署の縮小が決まったある国内メーカー技術者は「将来が不安。好きな研究が続けられてグローバルな製品に採用されるチャンスがあるなら、条件次第では韓国勢への転職もありうる」と漏らす。

<日本技術を研究、独自に発展>

1994年からサムスン常務として約10年勤務し、現在は東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター特任研究員の吉川良三氏はサムスンに「一本釣り」された1人だ。64年に日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)に入社後、ソフトウェア開発に従事。89年には日本鋼管(現JFEホールディングス)のエレクトロニクス本部開発部長として次世代CAD/CAMシステムを開発していた。87年にサムスングループ2代目会長の李健煕氏から直接誘いを受けたが、いったん断った。それから数年経った後、再び李氏から自宅へ直接、電話があり決めた。

サムスンでは97年のアジア通貨危機以降、李会長の命令で日本企業の設計技術者を積極的に採用する「ジャパン・プロジェクト」が動き出した。日本の設計思想を吸収し、その技術にキャッチアップすることでより高いレベルの開発を進めるのが目的だ。吉川氏がサムスンに入った当時も、顧問として働いていた100人以上の日本人の大半が技術者だった。93年ごろのサムスンは先行メーカーの技術を吸収して同じものを作っていたが、現在ではすでに先行メーカーの製品に独自機能を付けたり、先行メーカーとは違った新しい仕組みや開発もできるようになっているという。

ただサムスンは現在でも多大な時間とコストを要する「開発設計(科学技術の開発)には力を入れておらず、その部分は先行メーカーをキャッチアップすることで補っている」(吉川氏)。何年もかけて生まれた新技術でも製品化されるものは少なく効率が悪いためだ。日本企業の開発設計レベルは高く、ここに日本人技術者が必要とされる意味がある。技術者1人を引き抜いても開発が進まないことも多いため、開発チーム丸ごとを引き抜くケースもあるという。ロイターはサムスン側に同社の人材引き抜き戦略について問い合わせたが、広報担当者はコメントを控えている。

<次の10年を生き抜く種>

今やサムスンは薄型テレビで世界トップの座を不動のものにし、NANDやDRAMといった記憶用半導体でも首位。リチウムイオン電池では昨年四半期ベースで日本勢が長年守ってきた首位に浮上、年間でのトップも射程圏に入れた。スマートフォン販売台数でも昨年は世界首位。携帯電話全体でも1―3月期には、14年間首位のフィンランドのノキア(NOK1V.HE: 株価, 企業情報, レポート)を初めて抜く見通しだ。その勢いはとどまるところを知らない。サムスンは「次の10年を生き抜くための種」(吉川氏)として過去も今も人材を引き抜いている。

サムスンの引き抜きが強まっている背景には金融業界の凋落も間接的に影響している。先のヘッドハンターによれば、一般的に転職者の契約年収の30%前後がヘッドハンティング会社の成功報酬で、これまでは億単位の年収がザラだった金融業界の人材紹介で稼いでいた。仮に2億円プレーヤーが動けば、ヘッドハンティング会社には紹介料として6000万円が入る計算だ。だが、リーマンショック以降こうした景気の良い話はすっかり減り、代わりに年収の良いサムスンなどへ積極的に人材を紹介する傾向が強まりつつある。

一方、サムスンでは、すでに年収アップを狙う転職者も現れている。実際、韓国では転職者による技術流出が今月発覚した。現地の警察当局は5日、サムスンの有機EL技術を流出した疑いで、LGディスプレーに転職した元サムスンモバイルディスプレー研究員の逮捕状を請求した。中国企業に同技術の製造工程に関する極秘資料を提供した疑いだ。有機EL技術はテレビなどに使われる次世代ディスプレーとしてサムスンが強化している。吉川氏は、転職者が増えているサムスンが「10年後、生き残っているかどうかわからない」と危惧する。関係者の間では、サムスンの日本人技術者引き抜きにはそうした事情もあるとみられている。

<手薄な日本勢の人材戦略>

「リストラの嵐」が再び吹き荒れている日本の電機業界。2008年秋のリーマンショック後に1万6000人の人員削減を実施したソニーは12年度中に1万人削減に踏み切る。パナソニックは三洋電機とパナソニック電工の完全子会社化に伴い、10―11年度の2年間で3万人以上を削減した。再建に向けて事業の選択と集中はやむを得ないが、「優秀な人材まで敵に流れることにはならないか」(業界関係者)との懸念も出ている。

先のヘッドハンターは、「その場しのぎのリストラは自らの首を絞めかねない。やむを得ず手放す技術者でも、せめてグループ内の子会社やサプライヤーに再配置するなど自社に利益を還元できる場への移籍にとどめるべきではないか」と話す。経済産業省・知的財産政策室の石塚康志室長は「今は自分たちに必要なくても、競合にとって価値ある技術を持つ人材かどうかを分析するなど、日本企業は目に見えない人的資産の棚卸をもっと緻密にすべきだ」と指摘する。

サムスン経営陣がスピード感のある意思決定やマーケティング戦略を実践しているのに対し、日本にはそうした経営者が少ないと話すのは、経営コンサルティング大手アーサー・D・リトルの川口盛之助アソシエート・ディレクター。技術力があっても、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が創り出すようなヒット商品に結び付けられないところが今の日本の電機メーカーの問題点であり、日本企業が優先すべきは「技術をうまくビジネスに育てる能力に優れた人材の発掘だ」と提言している。

(ロイターニュース 白木真紀、取材協力 Kim Miyoung ;編集 伊賀大記)

スポンサーサイト

コメント

ゴム紐

昭和30年代の話ですが、訪問販売でゴム紐を強引に売りつける「押し売り」と云うのがありました。
「昨日出所して来たんですがぁ…」との脅し文句でした。
粗悪品を高く売りつける、押し売りでなくとも折れ芯鉛筆なんて云うのもありました。
今では、パンツのゴムは縫込まれ、軽くて書き易い鉛筆も一般生活では縁が無くなりました。折れはオレでもオレオレ詐欺とか出会えない系詐欺と組織化し、一度にごっそり騙す程に悪質且つ巧妙そして顔も見せずにと、昔日の押し売りなど、見方によれば地道な対面販売で可愛らしくも思えます。

粗悪品を高値で政府が立法して国民に強制的に売りつける、さしづめ半世紀ぶりの押し売り復活ですね。
ズボンの中で、パンツのゴムが伸びて下がってしまうあの感覚が蘇ります。
「あ~、気持ち悪りぃ!」

一方では技術者の引き抜き、いや、退職者の受け皿としてと考えれば、給料を払う側を非難出来ません。究極の著作権とでも表現すればよいのでしょうか、なにぶん頭の中にある部分に関しては、雇用時の契約なり、雇用から外れて以後の補償なりで、身柄を押さえる方策を採らねばどうにもなりませんが、会社ごと身売りしてしまうケースもある現実を見れば、保護すべき技術の選別も必要でしょうか。
政府が主導すべきはこの辺りであり、押し売りではないと思います。

ゴム紐

>2012-04-24 03:17 | あづまもぐら様


>「昨日出所して来たんですがぁ…」との脅し文句でした。

たしか、サザエさんか何かで読んだ記憶があります。

>昔日の押し売りなど、見方によれば地道な対面販売で可愛らしくも思えます。

まあ、今でもリフォームとか布団とか、その手の訪問詐欺はありますね。

>粗悪品を高値で政府が立法して国民に強制的に売りつける、さしづめ半世紀ぶりの押し売り復活ですね。

いやぁ、この法案には前々から驚いています。完全な統制経済ですね。需要と供給の関係を完全に無視しています。米の代わりに大根を主食にするからと、大根一本100円で得っている八百屋に、素人が家庭菜園で作った虫食いだらけのまずくて売り物にならない大根を一本200円で強制的に買わせるような物です。八百屋は、今まで100円だった大根を300円にしないと店がつぶれます。

>ズボンの中で、パンツのゴムが伸びて下がってしまうあの感覚が蘇ります。
>「あ~、気持ち悪りぃ!」

お花畑の人々は、大根と電気の区別が付きません。大根は貯蔵出来るけれど、電気は作ったときに使わなくてはならないし、均一に整えないと使えないし、大根がなければ食べなくとも済むけれど、電気は減らせても使わないわけには行かない。

お花畑の人々は、自然再生エネルギーと言うだけで文句なくすばらしいと思いこむんですよ。押し売り被害に遭っていることさえ理解出来ていません。

>一方では技術者の引き抜き、いや、退職者の受け皿としてと考えれば、給料を払う側を非難出来ません。究極の著作権とでも表現すればよいのでしょうか、なにぶん頭の中にある部分に関しては、雇用時の契約なり、雇用から外れて以後の補償なりで、身柄を押さえる方策を採らねばどうにもなりませんが、会社ごと身売りしてしまうケースもある現実を見れば、保護すべき技術の選別も必要でしょうか。

仕事柄中小の町工場などとつきあいがありますが、つぶれるところは私から見ても自業自得の感があります。長年やっているから確かに職人としての技術はあるのですが、知識がないんですね。元請けから来る仕事をきちんとやるけれど、それだけが職人の誇りになっていて、また腕がいいだけに景気の良いときは仕事が途切れません。

しかし、今は製造設備が良くなり、腕の良い職人がやっていた製品が安く出来るようになってそのような職人の需要が無くなっているのです。そう言うところはつぶれますね。後継者も居ないし、高い機械を買って経営が悪化するだけです。

新しい物を作り出す会社以外おそらく町工場は減ってゆきます。勝ち残ったところが、最新式の製造設備と、熟練工と、なにより開発力で大きくなるようです。小売業が淘汰されるように、製造業も農業もそのように淘汰されてゆきます。数は減るけれど、キャパシティーが必ずしも減っては居ないようです。

多くの熟練工が職を失い、中韓に流れるなどの一つの要因じゃないでしょうか。

ただ、小回りが利かなくなり、これが怖いですね。


>政府が主導すべきはこの辺りであり、押し売りではないと思います。

一方、中韓が最初から大手の高度な技術を持った人間に狙いを定め、一本釣りで引き抜く事態も多く発生しています。このようなケースを防ぐのは国家が関与するしかないと思っています。再生エネルギーなどよりもよほど優先すべきですが、本当に民主を引きずり降ろさないと、この国が保ちません。

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。