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ゼロサム受け入れは間違い

平成22年01月24日

 凡そ40年ほど前、ローマクラブが発行した「成長の限界」という本が話題を生んだ。地球上の資源が次々と枯渇し、人類はこのままでは成長の限界を迎え、その後は衰退に向かう、と言うような内容だったと思う。
 
 この本によればたぶん今頃石油やウラニウムなどいくつかの資源がすでに枯渇しているはずなのだが、現実に枯渇した資源があるとは聞いていない。もっとも、あの本に書いてあったのは人類が当時のままに消費を続けていればという条件だから、四十年の間に省エネ省資源技術は飛躍的に発達しており、また石油などは新しい発見が相次ぎ、採掘技術も進んでいるので、何年も枯渇すると言われ続けながら未だに枯渇する兆しはない。
 
 この石油も後数十年で枯渇するとは今でも言われているが、それまでには石油以上に採掘量がある天然ガスやハイドロメタンが使われるようになるだろうし、省エネ技術もさらに進むだろう。なにしろ、ロシアは同じ生産量を上げるのに日本の十八倍のエネルギーを使う。日本は世界でも飛び抜けた省エネ大国であり、世界中が日本並みの省エネ技術を使用すればエネルギー源は数倍枯渇する年数が伸びることになる。
 
 また、昔とは段違いのリサイクル技術も進んでおり、日本でリサイクルを完全に行えば世界最大の希少金属産出国となるとのことだ。
 
 また、食糧の不足も成長の限界を生むと言うのだが、飽食日本にいればそのような実感は湧かない。ただ、世界的に見ればおよそ六十五億の人間の内、十億は飢えに貧していると言うから食糧不足がある面深刻なのは事実だ。しかし、世界では食糧生産を削ってバイオ燃料を作っているくらいだから実は食料生産余力は十分にある。日本でも休耕田がかなりあるくらいだ。つまり一部の地域で食糧不足が深刻になっていると同時に、例えば日本では毎年食料が千万トン廃棄されている。つまり、食料の分配が偏っているのであって、食料の絶対量が足りないのではない。
 
 あと三十年もすれば世界人口が百億人になると言われているが野放しに増えるわけではない。人口の伸びは鈍ってきており、おそらく百億に達することはないとの見通しもある。ただし、このような見方があると言うだけで、実際はどうなるか分からない。
 
 食料生産技術も相当進んでおり、実際は地下でもビルの中でもエネルギーさえあれば農業生産は出来る。実際に食糧不足が起きる兆しはないと言われている。
 
 成長の限界の要素としては、人口増と資源の枯渇だろうが、現時点では双方が極限に向かうことはなさそうだ。
 
 次に、日本では人口減が問題となり、その意味で日本の成長が抑えられ、いつかは経済縮小局面に達するから、外国から千万人の移住者を迎え入れなければならないと主張する人が居る。
 
 しかし、現在仮に全く手段を講じないとして、人口減は年率1パーセントであり、一方生産性は年率2パーセントで上昇している。つまり、労働力不足が起きて日本の産業が衰退する要素はまるでない。十年前と比べてさえ、コンピューターや各種ロボットなどの投入で、生産力は飛躍的に上がっている。大勢の不法入国外国人が日本で仕事を得ているし、そして常に数パーセントの失業率があることを考えると、日本が人口減で労働力不足に陥ることはあり得ない。むろん、人口の無制限な減少は別の意味で解消しなければならないが、実際に人口がゼロになるまで何も出来ないわけではあるまい。つまり、一定の数字まで人口が減ったとしてもそこで落ち着くはずだ。
 
 ところで、経済成長を追い求めると自然破壊をし、環境が破壊され、最終的に人間の生活が成り立たなくなるから、成長する必要はない。低成長かゼロ成長で良いのだと主張する人たちがいる。
 
 では実際にゼロ成長策を採ったとすればどうなるか。人間が生活をしてゆくためには必ず消耗があるので、補充をしなければならない。補充のための生産は必ずいるのだ。そして、全ての生産物が消費者に届けられるわけではない。かならず余剰生産物が発生する。そのための生産もしなければならない。
 
 つまり、生産は常にしなければならず、消費者が消費する為には生産に携わって収入を得なければならない。ところで、生産を支えるのは資源だが、資源は必ず減ってゆく。すると価格が上がるので、今までの収入では変えなくなる。すると収入を増やすために余分に生産しなければならない。また、限られた資源を効率よく使うためには技術を発展させなければならず、そのためにも生産を改良してゆかなければならない。つまり、生産拡大であり、とりもなおさず経済拡大が必要条件となる。
 
 それを怠ると、限られた資源獲得競争に敗れ、生産が出来なくなる。一旦生産が出来なくなると、後は釣瓶落としに経済が縮小し、破綻する。その過程で一番被害を受けるのが、社会的弱者となる。
 
 現在資源の枯渇が心配ないというのは、生産性が高く省資源、リサイクルなどの技術があるからだ。経済発展が停まると、それが全て作用しなくなり、たちまち外国との資源獲得競争に負けるしかない。国の存続に関わるのだ。
 
 バブルはともかく、ゼロサムや低成長で自然に優しい生活をとおっしゃる方々は、そのような生活が強力な生産力に支えられているからと言う理解が足りない。日本でホームレスが成り立つのは彼等の生活を支える余剰物が社会にあるからだ。しかし、最貧国ではホームレスは生きて行けない。ホームレスもまた生産力が支えているのが現実であり、生産力の絶え間無き増強すなわち経済の拡大が続かない限り我々は存在出来ないことを理解すべきだ。
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コメント

No title

ゼロ成長や低成長が望ましくないとして、どのような成長戦略を描き具体的にどのような政策を執るのが良いとお考えですか。

旧政権下で生産力拡大のための設備投資を推進しようとして「量的緩和」を進めました。その結果「いざなぎ超え」の景気拡大を達成したとの論調もありました。
この成果について、どのように判断されますか。

No title

いらっしゃいませ

経済発展の形は、国毎、時代毎、そして世界との関連があり、どれが一番良いのかの断定は出来ないでしょう。ただ、非常に漠然としてですが、国毎の発展モデルはあるはずで、その意味で日本の発展モデルは間違っていなかったとは言えそうです。

結局、資源に恵まれず平野部が国土の16%しか無くて食料生産も不向きである日本の財産は人であり、高度な教育程度、高い民度、熱意などを活かした物作りしかないようです。物作り、つまり工業生産技術が高いことで、少ない資源に高い付加価値を付けて経済力を高めてきたのは事実です。今後もその形をとり続けるしかないでしょう。

資源競争で他国を強制的に斥けることもなく、他国の産業を破壊することもありません。これらは全て今中国が行っていることです。

中国のやり方は必ず他国との軋轢を生み、敵意を買います。すでにヨーロッパでは激しい中国は遺跡が始まっており、アメリカともグーグルの件を端緒として日頃の軋轢が表面化しようとしています。

かつての日本がそうだったようですが、今は日本の産業資源は相手国の産業に欠かせない物であるため、そのような日本排斥は起きていません。かつて起きたときも、車などの消費財が対象です。日本の産業資源を閉め出せば自国の産業や雇用が大打撃を受けるのですから当然です。

ついでですが、日本は貿易立国ではなく、また輸出品の80%以上が産業資源であるため円高には影響されません。基本的に円高とともに日本の経済が発展してきたのはそのためです。

円高であるために、海外に於ける日本の資産は世界一であり、世界一の債権国になっていて、貿易による収益よりも海外資産から上がる利益がこの数年上回りつつあります。

電子製品で韓国や中国に後れを取っているから日本は破綻だと大騒ぎですが、現実には両国に対する黒字は増加傾向です。産業資源を供給しているからです。軽工業品や労働集約型産業の主力が中進国に移るのは時の流れです。

彼等に製品を売らせ、日本が利益を上げればよいのです。

この形を続けるべきとは思っています。

無制限のバブルは危険ですが、日本の安全保障を確保するために最低限の経済拡大は必要不可欠です。

No title

解説ありがとうございました。

「量的緩和策」についてもご見解を頂戴してもよろしいですか?

No title

>「量的緩和策」についてもご見解を頂戴してもよろしいですか?

わたし自身明確な判断が出来るわけではありませんが、国内に流れる資金量を人為的に調節することは、状況に応じて必要であるとは思います。

一例ですが、通貨の金利や国債の利息なども市場原理にまかせておいて良いかどうか、通貨の流通量なども自然にまかせておいて良い物かどうか、諸説あるかと思いますが、現在は人為的に調整しております。結果として、マイナス面よりプラス面が多いと判断は出来ると思っております。

とくに今は金融が全て全世界規模瞬間的に反応するネットワークによって行われており、ふとした機会に暴走する危険があります。一国の経済が一日で破綻することもあり得るわけです。

そのような暴走を防ぐためにも量的緩和政策は必要かと思われます。ただし、そのタイミングや規模などを私が判断出来る立場にあるわけではありませんから、具体策もありません。あくまで結果論を言っているだけです。

No title

ご回答ありがとうございました。

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