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停まらない世界経済の沈下

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この2,3日隣の半島のデフォルトの話題を採り上げているが、もっと深刻なのはヨーロッパの不況、アメリカの不況、そして中国のデフォルト、ロシアの不況等だろう。つまり世界中どこもかしこも不況だらけなのだ。一方新興国が経済発展しているとの報道もあるが、そもそもが分母が小さいために、多少の好況でも世界経済を牽引する力はない。

そして、もともと経済規模が小さければ、絶対額ではそれほどでなくてもやはり分母が小さいために発展率は大きくなる。スイスは、スイスフランが高騰し、ヨーロッパの中では経済的にしっかりしているのだが、いかんせん経済規模が日本の10分の1以下であり、喩え10パーセントの成長をしても絶対額では日本の通常の1,2%の成長に及ばない。

途上国の成長とはそのようなものであり、世界経済に活力を与える所まではまだまだ行かない。

その世界経済でも、ヨーロッパが非常に深刻なようだ。

赤文字は引用


東京外為、ユーロ100円台 10年ぶりの安値


 4日の東京外国為替市場では欧州の政府債務(借金)問題への不安が再び広がって欧州通貨ユーロが売られ、一時は1ユーロ=100円70銭台まで下落した。ユーロがお札を一般向けに発行し始めた2002年以降の東京市場での最安値(円は最高値)で、01年6月以来10年ぶりの安値水準だ。
 
 何故こうなったかは、ヨーロッパの高い生活水準が実態は借金でまかなわれていたことが明らかになったからだ。典型は、真っ先に破綻したアイスランドだろうが、アイスランドは元々は豊かな漁業資源を元に、少ない人口を支えそれなりに豊かで安定した国だった。しかし、ある時から金融に目覚め、ドイツなどから金を借りてはそれを金融投資し、その時期世界経済が好調でその方針はつぼにはまり、国庫は大いに潤い、そして分不相応の大盤振る舞いをして政府の支持率を確保した。
 
 しかし、2008年のリーマンショックをきっかけに全てが逆転した。金融で潤っていた同国の経済は一般に行き詰まり残ったのは巨額な負債であって、しかもそれを返済する手だては一切無かった。本来の漁業収入で追いつくようなものではないほどの贅沢をしてしまったのだ。
 
 結局アイスランドはデフォルトし、大金を貸していたドイツは大損をした。今ギリシャ、スペイン、アイルランドなどなどアイスランドに続きそうな国は目白押しだが、全て似た様なものだと言って良い。
 
 金融は、世界が好況の時は確かに金が回るから、上手くやれば大もうけできる。金が動かなければ金融も動かないのだ。まして少額の資本で巨額の富を得られると歌われたレバレッジなどに手を出せば、転んだときは取り返しの就かないことになる。今ヨーロッパで破綻に瀕している国々は、結局他国の借金で食っていたのであり、その金が返せないと言うことになれば金を貸した国も大損をする。
 
 ヨーロッパの状態はそれだと言って良い。それと、通貨統合が大きな障害になっているのは、今ではEUも痛感しているだろう。経済力も信用も国によって違う。つまり本来それぞれの国の通貨も価値が違うのだがそれを統合してしまえば、ドイツやフランスのように比較的信用のある通貨が、全く紙くずと化しているアイスランド通貨と同じと見なされるわけだ。
 
 ドイツで流通しているユーロも、アイスランドで流通しているユーロも価値は同じだから、ドイツにしてみれば金を貸して踏み倒されるわ、通貨は紙くずの補償に使われるわでそれこそ踏んだり蹴ったりだろう。今ドイツでは、ギリシャに支援するのはやめろとの大合唱だが、ギリシャがつぶれるとドイツが大量の火の粉をかぶるのだ。通貨統合、経済統合とはそのようなものであり、先日も書いたように、日本円と韓国ウォンのスワップのようなものだ。通貨スワップの場合は、その限度額内においては、ウォンが紙くずになっても取り決められたレートによって日本円に交換できるから、即ち日本が韓国通貨を補償することになる。つまり、ドイツの悲劇が日本に起きるわけだ。ただし、ドイツは無制限であり、日韓通貨スワップ協定は限度額があるから、それだけは幸いだ。
 
 話がずれたが、かなり前からヨーロッパは製造業ではアメリカや日本に太刀打ち出来ないようになっており、それでも高い生活レベルを維持するために金融で経済を支えてきた。それがとうとう限度まで来て破綻したのが、リーマンショックであり、それが無くとも遅かれ早かれこうなるはずだった。いわば、ヨーロッパの大半が、バブルだったのだ。
 
 欧米は高い生活レベルが当たり前のように言われ、各種アンケートでも北欧を中心に評価が高い。高い生活レベルがその理由だが、本来これらの国々は、そのような生活レベルを維持できる経済力を有していなかったのだ。したがって、欧州の経済不況が収まるのは、これら分不相応の生活レベルを有していた国々が、分相応の生活レベルにまで質を落としたときだろう。むろん、これはアメリカにも言える。
 
 その点日本は極めて実態の経済規模に見合った生活レベルを保っていると見て良い。
 
 国の富は、本来何もないところから生み出した富でしか積み上げられない。場合によってはそれが資源であったり文化であったりもするが、その内の資源は需要がなければ価値が下がるし、文化はあまり金にはならない。となれば、後は技術しかない。技術こそ、何も無いところに価値を作り出す唯一の方法であり、技術があればただの石ころを産業のコメに変えることができ、価格ゼロの石ころが、キロ当たり数万、数十万の価値を生む。
 
 したがって、ヨーロッパの中でも比較的高い技術を持ち、常に富を創出していたドイツの経済が好調であり、それに続いていたフランスも同じように経済的にしっかりしている。他のヨーロッパ諸国は、そのドイツとフランスに食わせてもらっていたようなものだ。
 
  アメリカについては何度も書いたので繰り返さないが、やはり製造力を捨て金融で経済を保ってきたツケが今支払いに回ってきただけだ。
 
 オバマ大統領は大号令をかけて失業率を減らす、製造業を育てると言っているが、言うだけではそうはならず、相変わらずアメリカ経済は先が見えない。破綻はそう簡単にはしないだろうが、衰退してゆくのはやむをえない。ただ、アメリカが破綻することは世界がそのまま破綻することなので、日本を始め欧米もアメリカを支えるだろう。だから破綻しないのであって、それがなければアメリカもどうなるか分からない。少なくとも経済不振の責任を問われ、オバマ氏の再選はかなり危ういし、民主党政権も危ない。
 
 世界第二位の経済規模を持つという(私はあまり信じていないが)中国は、ヨーロッパ以上に逼迫している。ヨーロッパと違い、中国は曲がりなりにも製造業があるし、国内需要もあるから経済は動かせる。が、製造業の質が低いので、富を創出するにしてもあまりに効率が良くない。
 
 中国のような国は、国民をまとめるために高い経済成長を維持しなければならず、その境界線は諸説あるが最低8%だと言う。つまり、中国の成長率が8%を切ると、中国経済はその時点で底なしの破綻に向かうとされているわけだ。
 
 しかし、実際はその8%をとうの昔に切っている、すなわち中国の経済発展は嘘にまみれた水増しだと言うわけだ。それについては、今までも散々根拠を挙げているが、このところ、中国経済については悲観論が目立つようになってきている。
 
中国経済のクラッシュに備えよ


 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)は、中国の政府系金融機関の不良債権問題について悲観的な推計を発表した。中国は、地方政府に影響が及ぶ不良債権の規模を5000億ドル(約39兆円)ほど過小評価しているという。中国は2010年10月以降、5度にわたった利上げを実施しているにもかかわらず、物価上昇率は現在6.4%で、2008年以降で最も高い水準にある。一方、2011年第2四半期(4~6月期)のGDP(国内総生産)成長率は9.5%に鈍化し、過去2年近くで最も低い数字になった。
 
 この成長率が二桁を切ったと言うことは、実は危険ラインもすでに越えているのではないかとの推測が入っている。なにしろ、水増しの経済成長率であることは以前から言われており、地方の挙げてくる数字を集計すると、国家の総計を遙かに越えてしまうとは前々から言われていた。すなわち、地方幹部にしてみれば、低い成長率を中央に上げることは自分の失策であり、下手をすれば地位どころか、自分の財産は愚か命さえ危ういのだから必死だろう。
 
 したがって、水増し経済がふくらみすぎて破裂することは十分想定されており、だれも中国がたとえばかつてのスペイン、ポルトガル、オランダ、英国のように静かに老いて表舞台から退場してゆくなどとは思っていない。破壊的な破綻を世界にもたらすだろうと見ているのだ。
 
想定される引き金はインフレが不動産バブルの崩壊

 中国経済の崩落や急落――アナリストの多くは中国の成長率が7%以下に下がることをこう称している――が起こるとしたら、その引き金を引くのはインフレまたは不動産市場の暴落だろう。

 
 まず、インフレについては上記にあるように、すでに危険ラインを越えている。生活必需品を中心に物価は急速に上昇し続け、中共も物価抑制に最も主力を注いでいるようだが、今の所効果はないし、おそらく今後もないだろう。
 
 インフレの原因は、製造技術が酷すぎ、あまりに不良製品が多いために、品物は山積みになっているのに売れないことにある。安全な食べ物や生活必需品で本当に買いたいものはほとんどが外国製品であり、これは意図的に低く抑えた通貨のために非常に高い。また、中国は大量の原油や資源を輸入しなければ経済成長を支えられないが、その資源が近年高騰し、そして通貨安のために輸入金額が急速に上がり、そしてインフレを加速している。

 インフレに備え、貯金の目減りを防ぐために、庶民は不動産に投資する。その結果、不動産価格は異常なペースで上昇し、単に投資目的の建物が建ち並んだ巨大なゴーストタウンがいくつも出現している。

 マンション価格が急落した場合、中国の一般国民は貯蓄を失い、地方政府は住宅・商業不動産に投資するために借り入れた資金が返済できなくなる。香港城市大学の鄭宇碩(ジョセフ・チェン)教授(政治学)によれば、一部の地方政府は、不動産開発用地の売却によって歳入の6割以上を得ているという。不動産市場が暴落したら、土地の買い手はほとんどいなくなる。さらに不動産市場の暴落は、中国の鉄鋼メーカーやセメントメーカー、家具メーカーなどの業績悪化にも直結する。
 
 つまり誰も住まない建物や町の価格が無制限に上昇するわけが無く、いつかはバブルがはじける。すでに、中国の不動産場プルはその限界までふくらんでいる。

ムーディーズは中国の融資債権の8~12%が不良債権化する可能性があると推計する。一方、政府の公式発表の不良債権比率はわずか1.2%だ。米英格付け会社フィッチ・レーティングスは今年、不良債権の規模は30%にも達する可能性があると警鐘を鳴らした。

実際、中国の金融システムは非常に歪んでおり、日本であれば担保や信用力が銀行融資の条件の筈だが、中国においては権力が融資の条件になる。銀行のトップに賄賂を贈り、あるいは高い地位にいるものが申し込めば事実上無制限に融資される。

結局はそれらは全て不良債権であり、日本で言えば不正融資で当然刑事責任を問われるが、人治国家中国では、権力=金であり、全く問題にはされていない。普通の資本主義国では、信用力=金なのだが、似非資本主義国家中国ではそんなルールは無い。

さらに銀行から受け取る金にさえ偽札が大量に混じり、普通の商店でも偽札鑑定機が普通に置かれている様な国で、経済がまともに機能するわけがない。

つまり中国経済が大きく破たんする可能性は非常に大きい。すると、

中国経済が減速すれば米国などに大きな影響

 中国は世界の鉄鉱石や石炭、鉄鋼の5割近く、世界の銅の4割を消費している。銅の輸出国チリは23%を中国に輸出しており、中国の成長鈍化がチリの銅産業に与える影響は大きい。韓国のサムスン電子は2010年の売上高の2割を中国で稼いでおり、中国の成長が鈍化すれば、テレビや携帯電話の販売量が落ち込む。インフラ機器を製造する多国籍企業も影響を受ける。また、自動車大手のトヨタ自動車(TM)や米ゼネラルモーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)の業績にも影響が及ぶだろう。

 
 と言うことだが、日本の場合はもっと深刻な問題が起きる。大量の犯罪者が日本に押し寄せてくる。それは韓国も同じだが、韓国くらいの規模なら日本が金を出して何とか汚汁が飛び散らないように出来るだろうが、中国が破綻した場合はとうてい抑えきれない。
 
 ただし、上で言っているような経済的な影響、すなわちトヨタ自動車の業績にも云々とあるが、中国から得ている貿易による利益は日本の場合GDPの1%に満たない。すなわち、中国が破綻しても、貿易の喪失による経済的な影響は日本に於いては誤差の範囲だ。むろん、中国観光客も来なくなるが、それも誤差の範囲でしかない。
 
 中国の破綻に備えるのは大量の犯罪者の流入にたいして、よほど覚悟を決めて置かなくてはならない、が今の日本にはまるでその気配が見えない。
 
 そもそも国家が破綻するのは、経済破綻ばかりが理由ではない。後述するロシアなどもそうだが、暴力でまとまっている国家は、経済が沈滞しただけで、政府の存在意義が無くなる。そうなると、政府は国家をまとめる別の方法を採る。中国の場合は反日であり、際限のない軍拡になる。なにしろ、軍部を把握しておかなければ不安定になる国家をまとめられないからだ。軍部に金をつかませ、国民を押さえつけなければならないのだ。
 
 中国の破綻はそれだけ大規模な戦争の危険性に結びつく。或いは大量の武装犯罪者の来襲に結びつく。
 
 最悪の事態を今の政権がどれだけ理解しているか、というより、全く理解などしていないか、見ない振りをしている。
 
 ヨーロッパ、アメリカ、中国の三極が駄目だとすれば、後は新興国だが、新興国は先に書いたように、元々の規模が小さいために、大規模な発展をしてもたかがしれている。今の時点では、とうてい欧米の肩代わりは出来ない。
 
 ロシアはどうだろうか。
 
 ロシアについて簡単に並べてみると、
 
 経済規模世界10位前後。10年で11位。去年の数字だが、日本のGDPがおよそ500兆円、ロシアはその3.8分の1即ち、130兆円であり、しかも下がり続けている。

 人口1億4千万であり、国土面積 170万Km2で、世界最大だ。これだけの国土面積を持ち、人口も世界では多い方だが、経済規模がそれに比べて極めて小さい。それは、やはりロシアに製造技術が無く、今も工業製品は域内の近隣諸国に売っているだけだ。一方、ロシアは原油でもサウジに続く原油産出国で、今の所資源輸出がロシア経済を支えている。
 
 しかし、やはり世界経済が沈滞し、原油需要自体が伸び悩み、また未だに民主化できず欧米とは歴史的に大きな確執を抱えている。そのため教権国家に回帰し、事実上プーチン独裁体制を固めつつある。そのためには宗教を利用し、企業を支配し、軍事力増強に力を注いでいる。即ち、国家として非常に歪んでおり、正常な発展が出来ない。
 
 ロシアはほとんど唯一平均寿命が縮みつつある国であり、人口減少が著しい。周囲が全て敵であり、おそらくロシアが世界経済の中で協力を得て発展することはない。そもそも、今の経済規模では、ロシアの動向など大した意味はない。
 
 ところで我が日本だが、世界中に金を貸しているのに、世界中が破綻したら貸した金が回収出来ないではないか。ドイツのことなど心配している場合ではないだろう、との疑問が出てくるだろう
 
 その心配はゼロではないが、そのような状態になった場合は世界全体がそれこそ破綻しているのであり、通貨経済自体が機能していない状態なので、心配しても仕方がない。
 
 それと貸した金は貸し続けることで利息を得ることが出来るのだ。日本は富を生み出す高い技術がある。だから、あれだけの震災からたった半年で経済が上向いた。しかも日本は貿易立国ではなく、GDPにしめる貿易の割合は十数パーセントだ。中国やロシアのように他国の需要が落ちて日本経済が影響を受ける構造にはなっていない。だから、これだけの円高で貿易が回復しているのだ。ただし、原油輸入が赤字にしてしまったが、経常収支では已然黒字が拡大している。
 
 それは貿易なら相手が買わなければ当然収入が減るが、借金の利息は嫌でも相手は払わなくてはならないから、相手の景気や需要には無関係に入ってくる金だ。
 
 したがって、日本が世界最大の債権国である限り、どのような状況においても、世界が破綻しない限り、常に収入が入り続ける構造になっている。米国やヨーロッパ、中国やロシアとは全く状況が違うのだ。まして、隣のケンチャナヨ国とは月とゾウリムシほども違う。


上記に引用されているURLの記事を読む場合は下記の「続きを読む」をクリックしてくだい。なお、確認のため以外では敢えて読む必要はありません
以下は参照用の資料ですので、確認をされる以外はあえて読む必要はありません。

東京外為、ユーロ100円台 10年ぶりの安値


 4日の東京外国為替市場では欧州の政府債務(借金)問題への不安が再び広がって欧州通貨ユーロが売られ、一時は1ユーロ=100円70銭台まで下落した。ユーロがお札を一般向けに発行し始めた2002年以降の東京市場での最安値(円は最高値)で、01年6月以来10年ぶりの安値水準だ。

 午後5時では1ユーロ=100円88~92銭だった。前日の午後5時に比べて1円84銭の円高ユーロ安になった。借金の自力返済が難しくなっているギリシャ政府に対してユーロ圏各国の支援が進まないため、心配する投資家が多い。

 4日の東京株式市場も日経平均株価が3日続けて下がり、一時は前日より186円安になった。終値は前日より89円36銭(1.05%)安い8456円12銭。

 東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同10.93ポイント(1.46%)安い736.18、出来高は20億6千万株だった。





中国経済のクラッシュに備えよ

Bloomberg Businessweek  【プロフィール】バックナンバー
2011年7月26日(火)
1/2ページ
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Dexter Roberts(Bloomberg Businessweek北京支局長、アジアニュース担当エディター)
米国時間2011年7月14日更新「 Preparing for the (Possible) China Crash 」

 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)は、中国の政府系金融機関の不良債権問題について悲観的な推計を発表した。中国は、地方政府に影響が及ぶ不良債権の規模を5000億ドル(約39兆円)ほど過小評価しているという。中国は2010年10月以降、5度にわたった利上げを実施しているにもかかわらず、物価上昇率は現在6.4%で、2008年以降で最も高い水準にある。一方、2011年第2四半期(4~6月期)のGDP(国内総生産)成長率は9.5%に鈍化し、過去2年近くで最も低い数字になった。

 誰も中国経済が破滅すると想定しているわけではない。米メディア・情報サービス大手ブルームバーグが4月に実施した調査によれば、エコノミストらは、中国経済が2011年に9%以上の成長を達成すると予想している。中国政府には財政余力があり、主要な金融機関や企業が経営難に陥ったとしても、救済に乗り出す余裕がある。

 だが、中国経済の先行きについて悲観的な投資家も出てきている。米国のヘッジファンド、キニコス・アソシエーツのジェームズ・チェーノス氏は、中国がインフレを抑制できるか心配している。加えて、不動産や生産設備に対する過剰投資の反動による深刻な落ち込み(ハードランディング)についても懸念している。

 中国の清華大学のパトリック・ショバネック准教授は「従来とは状況が一転し、広範な市場で多くの人が懸念を抱いている。以前は中国の成長神話が信奉され、懐疑論はかき消されていた。だが現在、市場の心理は大きく変化している」と語る。


想定される引き金はインフレが不動産バブルの崩壊

 中国経済の崩落や急落――アナリストの多くは中国の成長率が7%以下に下がることをこう称している――が起こるとしたら、その引き金を引くのはインフレまたは不動産市場の暴落だろう。

 ショバネック准教授はこう語る。「中国共産党は物価高騰を何とかして避けたいと考えている。1940年代、ハイパーインフレに嫌気がさした中国の一般国民は共産主義に傾倒した。1989年に天安門事件が発生した背景には、約20%にも達していたインフレがあった。物価上昇率が10%を上回る期間が長期にわたって続けば、米連邦準備理事会(FRB)のポール・ボルカー元議長のような、強硬なインフレ対策を実行せざるを得ない」。ボルカー氏はFRB議長を務めていた当時、大幅な利上げで米国の物価高騰を抑え込んだ。しかし、金利を上げすぎて米国は深刻な景気後退に陥った。

 不動産市場では、かなり長期にわたって活況が続いてきた。米ピーターソン国際経済研究所のニコラス・ラーディ氏が指摘する通り、中国の物価上昇率は預金金利の年率3.5%を上回っている。このため、多くの中国人は貯蓄の一部を取り崩し、マンションに投資している。

 現在、中国の経済生産の9%は住居用不動産への投資が生み出している。この割合は2003年には3.4%だった。建設ラッシュが長く続き、ついに供給が需要を上回っている。英スタンダードチャータード銀行によれば、中国のマンション売れ残り在庫は2010年夏には皆無だったが、現在は約3カ月分あるという。

 マンション価格が急落した場合、中国の一般国民は貯蓄を失い、地方政府は住宅・商業不動産に投資するために借り入れた資金が返済できなくなる。香港城市大学の鄭宇碩(ジョセフ・チェン)教授(政治学)によれば、一部の地方政府は、不動産開発用地の売却によって歳入の6割以上を得ているという。不動産市場が暴落したら、土地の買い手はほとんどいなくなる。さらに不動産市場の暴落は、中国の鉄鋼メーカーやセメントメーカー、家具メーカーなどの業績悪化にも直結する。



金融機関の貸し渋りが中小企業の成長を妨げる

 中国の政府債務問題について研究している米ノースウエスタン大学の政治学者ビクター・シー氏は「不動産から地下鉄まで様々な開発事業の投資利益率(ROI)が低いため、金融機関は投資を見直す姿勢を見せている。現在の金融機関の関心事は、現行の与信枠を使って融資の焦げ付きを避けることだ。そのため、新規事業への融資は困難になっており、これが成長の足かせになっている」と分析する。

 ムーディーズは中国の融資債権の8~12%が不良債権化する可能性があると推計する。一方、政府の公式発表の不良債権比率はわずか1.2%だ。米英格付け会社フィッチ・レーティングスは今年、不良債権の規模は30%にも達する可能性があると警鐘を鳴らした。

 市況変化で最も打撃を受けるのは中小企業だ。中国工業情報化省によれば、中小企業は雇用の8割を担っているが、与信を受けるのは難しい。スイスの金融大手クレディ・スイス(CS)の首席地域エコノミスト、陶冬(ドン・タオ)氏(香港在勤)は「中小企業は流動性が完全に不足している」と述べている。


中国経済が減速すれば米国などに大きな影響

 中国は世界の鉄鉱石や石炭、鉄鋼の5割近く、世界の銅の4割を消費している。銅の輸出国チリは23%を中国に輸出しており、中国の成長鈍化がチリの銅産業に与える影響は大きい。韓国のサムスン電子は2010年の売上高の2割を中国で稼いでおり、中国の成長が鈍化すれば、テレビや携帯電話の販売量が落ち込む。インフラ機器を製造する多国籍企業も影響を受ける。また、自動車大手のトヨタ自動車(TM)や米ゼネラルモーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)の業績にも影響が及ぶだろう。

 フィッチは6月、中国の成長鈍化が世界に及ぼす影響に関するリポートを発表。中国の主要貿易相手であるアジア・太平洋地域の諸国が最も影響を受けると分析した。フィッチはリポートで、「中国の2012年の成長率が4%に落ち込んだ場合、中国向けコモディティー(商品)輸出が急激に減り、オーストラリア・ドルの為替相場は下落するだろう。そして通貨防衛のために利上げが不可欠となり、長期にわたって高騰していたオーストラリアの住宅相場が落ち込むだろう」と予想した。

 フィッチのマネジングディレクター、トニー・ストリンガー氏は「中国政府が国内金融機関への資本注入や公共事業拡大に乗り出さざるを得なくなれば、財政に余裕がなくなるう。そうなれば、中国に米国債の購入が大幅に減少する可能性がある」と指摘する。その場合、米国は他の買い手を引きつけるため、国債の利率を引き上げる必要が生じる。米国の国債費は上昇する。ただし、中国の需要低下により、米国はコモディティー価格の下落、特に原油価格の下落による恩恵も受ける。

 中国経済が落ち込んだ場合、中国は金融機関の救済や資本注入に乗り出さざるを得なくなる。その影響は、台湾やオーストラリア、チリなど海外にも及びそうだ。
 
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コメント

No title

ユーロができた時、ローマ帝国の復活という言葉がマスコミで使われました。
が、よく考えてみるとローマ帝国ですら通貨統合は行ってません。属州の経済状況が異なることに配慮したそうで。この点は歴史から学べなかったんでしょうか。

No title

>2011-10-05 13:25 | 花岡 鉄様

>が、よく考えてみるとローマ帝国ですら通貨統合は行ってません。属州の経済状況が異なることに配慮したそうで。この点は歴史から学べなかったんでしょうか。

どうなんでしょうか。ユーロが出来たとき、ヨーロッパは等しく豊かになる、そのためには地域統合が必要で、国境の廃止と通貨の違いの廃止が何より必要だと考えられていたようです。

つまり、ヨーロッパが等しく貧しくなる想定はしていなかったわけで、それは彼らの思い上がりというか、富を生み出せない分他の地域から取れば良い位に考えていたのかもしれません。

歴史が続く限り、自分たちは常に他より豊かであるべきとの思いこみがあったのでしょうね。しかし、時代は急速にアジアに移りつつあり、アジアはヨーロッパを養うつもりはないと言うことですね。

いずれにせよ、ヨーロッパは今のままでは過去の大陸ですよ。

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