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アメリカ崩壊?

平成22年01月13日

中国が当面日本にとって脅威である、と書いてきたが、むろん中国だけがそうなのではない。ロシアもアメリカもそうだろう。次にアメリカのことを書いてみたい。

折しも、岡田外務大臣がアメリカ国務長官クリントン女史とハワイで会談し、普天間問題では全く話が食い違い、ことさら日米の同盟関係が強固であり、将来も強固であり続けることを確認した。このような確認をショートして演ずるのは、現実にはかなり問題があることを示している。その問題は双方にある。日本側はもちろん民主党の離米接中姿勢であり、日本側は経済問題と明らかな中国重視、日本軽視姿勢にある。そもそも今のアメリカ政府内には知日派が殆ど居ないで、逆に親中国派が多数居ることだ。

一般論としてのアメリカ問題を述べてみる。

アメリカが現在では唯一のスーパーパワーである事は論を待たない。だが、その体制があまりに長く続き、様々なゆがみが生じてきていることも見逃してはならず、ポストアメリカも視野に入れておく必要がある。パックスアメリカーナは永遠には続かないのだ。

以前から、アメリカはナンバーワンであることで国家をまとめてきた、折に触れて書いているが、すなわち、人種のるつぼ、文化のるつぼであるアメリカは、強力な求心力を持たない限り分裂の危険性が常にある。そのために高いコストを払ってナンバーワンであり続けなければならず、その意味で中国と同じ、方向転換が出来ない国なのだ。

ただ、中国の価値観は世界の大多数の価値観と大きく違うため、中国の台頭を世界は許さないだろうから、かならず世界と敵対することになる。結果として中国が大国化することはあり得ず、誰もが口をそろえて言うのはソフトランディングをいかにさせるかだ。それだけ、中国の巨大化は脅威と見られている。アメリカの肥大も次第に世界の軋轢のもとになっているが、ただ、価値観に共有できる部分が有るため、アメリカの肥大化を世界は認めていたと言うことに過ぎない。

少し前の、民主政権の危険性という記事の末尾に上げたが、アメリカのさるシンクタンクの評価として世界の危険要素の第五番目が日本となっているが、一番目は米中関係なのだ。

今の世界には確かに無法国家がたくさんあり、理屈や話し合いで平和が保たれることはあり得ないので、誰かが強面で無法国家を押さえつける必要がある。しかし、だれもそんな役割を引き受けたくはないので、アメリカをその役目に就かせているわけだ。

世界の思惑とアメリカの思惑が一致しているからこそ、アメリカは唯一のスーパーパワーで居られるし、今後もしばらくはそれが続くだろう。言い換えれば、世界情勢が変われば、アメリカはあっけなく崩壊することもあり得る。しばらくはその可能性は低いが、永久に今の体制が続くなどはあり得ないことも理解しておいた方がよいと思う。すでに、その兆候はいくつも現れている。

1)アメリカ産業構造の変化  アメリカはかつて非常に強い工業力を誇っており、製造業が国家財政を支えていた。また製造業が多くの労働者を引き受けていたため国民が等しく富を受け取ることが出来ていた。また、それが世界各地から人間を引きつけていた。

産業とは第一次産業から始まり、二次産業、三次産業へと移行してゆく。アメリカは依然として第一次産業では非常に強みを持っているが、二次産業、つまり製造業は見る影もなく衰退してしまった。アメリカはもはや独力では航空産業も自動車産業も支えることが出来ず、民生品の殆どは海外に製造拠点を移すか、海外製品を購入するようになった。したがって、中国の経済の非常に大きな部分をアメリカが支えることになった。製造業が国内から消えたために失業者が増え、経済格差がかつてないほどに広がった。

2)金融業の異常な膨張 により、一部の人間達は年収数十億、数百億などの収入を得ながら、一方ホームレスが非常に増えるなどのいわゆる資産格差を生じさせ、これが大きく社会の不安定を招いた。

3)金融業は産業の陰にあるべき存在であり、健全な産業を支えるために金融がなければならないはずなのだが、アメリカに於いてはマネーゲームが全てを狂わせた。マネーゲームとは所詮ゼロサムであり、誰かが得をする分、誰かが損をする。それだけではなく、実際の市場に存在する金の何倍ものゴーストマネーが流通する事になってしまった。このゴーストマネーは最終的には消えてしまう、つまり不良債権となるしかない。現在の世界同時不況は、このアメリカの不良債権が原因になっている。

少し詳しく書くと、ゴーストマネーとは予想された利益とでもいうか、レバレッジ投資に伴う物であり、いわば捕らぬタヌキの皮である。レバレッジとは信用取引であり、手持ちの金の何倍、何十倍もの金を動かす事を言う。手持ちの金で投資をする場合、将来それが百倍の利益を生むとなれば、手持ちの金の十倍の投資も出来る。そして、実際に利益が生じたとき、その十倍の金を返済しても、九十倍の利益が上がる。てこの原理であり、だからこそレバレッジ、つまりてこと言う言葉が使われている。この捕らぬタヌキ、実際は存在しない差額、九倍の金がゴーストマネーであり、実際に利益が上がればよいが、今回のサブプライムショックはその利益が全く上がらずそれどころか元金まですってしまった状態だ。ゴーストマネーとは存在しない金、人々の思惑の中にしか存在しない金であり、誰かが損をしなければ埋め合わせがつかないのだが、全ての人間が持っている総資産の何倍ものゴーストマネーが、世界を打ちのめしたというわけだ。アイスランドが破綻したのは、このゴーストマネーを返さなければならなかったからだ。

アメリカドルは機軸通貨であるため、好きなだけドル紙幣を印刷すれば世界中で通用するが、現実にそのようなことをすれば基軸通貨といえども価値が暴落する。アメリカは世界最大の債務国であり、他国から金を借りて投資を繰り返し、その儲けで富を築き繁栄を享受してきたのだが最終的にドルを刷って借金を返してきたと言っていい。しかし、無制限にドル札を刷っていれば、アメリカに金を貸している方は返ってくるドルの価値が暴落するのだから、たまったものではない。誰もがアメリカに金を貸さなくなる。アメリカには金を稼ぐ産業として農業くらいしかないとすれば、アメリカは立ちゆかなくなる。

現実にアメリカは今、国家予算の半分を借金の利子返しに当てている。これは日本政府が借金の利子を国民に返しているのとは違い、アメリカは外国に返しているのだから、それだけアメリカの富が世界に出てゆくことになり、しかもその返ってくるドルの価値が下がるのであれば、なおさら誰もアメリカに金を貸さなくなる。現実に、世界で一番アメリカに金を貸している中国はもう自国の余裕もなくなった為もあり、アメリカに金を貸さなくなってきているし、今の状況では世界でアメリカに金を貸せる国はない。正確には日本以外無い。日本はアメリカに金を貸し続けているから日本円が強いと言って良い。

つまり、アメリカは非常に財政的に貧しくなっており、借金で生活しているようなものだがそれはずっと以前からそうだった。アメリカが強ければ永久に借金の借り換えが出来ると考えていたのだろうし、また世界にしてみればアメリカにナンバーワンの役割を果たし続けてもらわなければならないので金を貸し続け支えてきた経緯があるが、その限界をいきなり超えてしまったのだ。

4)軍事的な衰退  アメリカは未だに巨大な軍事力を有している。しかし、第五世代戦闘機であるF22の配備を止めたり、宇宙計画を大幅に縮小したり、世界中の駐在部隊を縮小したり、そして核軍縮に努めなければならなくなったりで、かつての本当に圧倒的な軍事的優位は失われつつある。相対的に、資源で豊かになったロシアが急速に軍事力を高めつつあり、また中国も軍事的な野心をますます増大させている。相対的にアメリカの軍事的優位は低くなっている。

日本は集団自衛権を認めず、同盟国である日本がアメリカを守らないと言っている以上、アメリカが日本を守る理由はないとの意識が明らかにアメリカに出てきている。

また、世界中にアメリカの敵を多く作りすぎてしまい、今はイラン、アフガニスタン、北朝鮮に対峙しなければならないアメリカには明らかに疲労感が見えている。

現実に先日の、オバマ大統領がプラハで行った、核を実戦で使った国の責任云々発言は、実際はアメリカの核の傘はもう機能しないと言っているだけのことであり、手放しで日本が喜んでいて良い訳ではない。

誰もが可能な限りアメリカに火の粉をかぶってくれる役割を押しつけていたいが、アメリカがそれは出来ないと言い始めているのだ。アメリカもその役割を続けない限り国家分裂の危険があるのに、それでも出来ないと言い始めているわけだ。

ドルの基軸通貨としての役割はそろそろ終わらせた方がよいとの議論が現れてきている。オバマは中国と取引をするに違いないとの見方が強まってきている。ヨーロッパでは保守系政権が次々に倒れている。なにより、今の世界同時不況はアメリカがその種を蒔いたと誰もがしっかりと認識しており、アメリカを増長させすぎるのは良くないとの意識も出ているようだ。

ただし、明日あさってアメリカが崩壊するわけではないだろうが、それは世界が急激な崩壊を望まないからそうであるだけで、いつかはそうなることを考えておくべきなのだ。

とは言え、アメリカの崩壊とは中国の破壊的な崩壊とは様相が違い、いわばソフトランディングであろうと思われる。なんと言っても、アメリカには多様な価値観があり、常に行き過ぎを調整する仕組みがきちんと働いているから、一方的に突き進む中国とは全く違う。中国は自分でブレーキをかけることが出来ないが、アメリカは出来る。アメリカが崩壊するとすればそのブレーキが利かなくなった時なのだろう。いずれ利かなくなるとは思うが、急激に破綻へ向けて突っ走ることはない。

さらに、アメリカという国の成り立ち、歴史を考えてみるとその終焉も予想できるというものだ。

いかなる文明も国も会社も凡そ、誕生、成長、安定、終焉のサイクルから逃れることは出来ないようだが、そのサイクルの各々の長さがどれだけあるかと言うことが問題なのだろう。その意味で、日本もそのサイクルから逃れることは出来ない。過去から今に至るまであまりに波乱のない(あくまで相対的な判断だが)歴史を歩んできているので、破綻に至る兆しは未だ見えないだけのことだろう。ただ、それ故に危険が有るとも言えるが、それは後日書いてみたいと思う。
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