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あの戦争を考える 10


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ところで、少し話を変えて、戦後の日米関係が日本を戦争の危機から遠ざけているから、経験は必要が無いとの護憲派の主張の一つに、米国は日本という国をあの戦争を通じて理解した、守ることが米国の利益になると判断したからだ、と言うのがある。むろん、それもある面事実だろう。日本がソ連に取り込まれ日本が当時世界を二分していた一方のソ連の対米橋頭堡になるのは避けたいというのは本当だろう。それはあくまで日本の地理的な理由であり、彼らが心底日本、日本人を理解したからではない。米国が日本を理解しなければならない理由があるとは、彼らは考えない。米国に付き従っている限り、日本を支援する方が敵対、あるいは絶対支配するよりはやりやすいということだ。

よく知られた戦後の写真に、昭和天皇が戦後初めて進駐軍司令官、ダグラス・マッカーサーの元を訪れた時の写真だ。マッカーサーは通常の米軍指揮官の服装であり、礼服ではない。両手を腰に当て、コーンパイプを口にくわえたまま足を開いて突っ立っている。その脇に、遥かに背の低い昭和天皇が、礼服で直立不動でならんでいる写真だ。

この写真は、日本政府が公表しないようにと進駐軍に頼んだが、進駐軍は全国の新聞にこの写真を掲載するように命じた。

ところで、このときの会見は秘密だったはずだが、内容が漏れている。誰の仕業かは分からないが、とにかくこのときの会見で、天皇陛下が「自分がこの戦争の全ての責任を負っている。自分はどの様な処分を受けても処刑されても甘んじてそれを受け入れるが、国民には責任がない、国民は今飢えに苦しんでいるのでありなにとぞ閣下のお力により日本国民を助けていただきたい」とマッカーサーに言い、マッカーサーは後に彼の自伝で「その時自分は衝撃を受けた。これほど高貴な人物を今まで見たことが無かった」と語り、それから彼の日本統治に対する考えが変わって、本国の、日本人の7割を餓死させろと言う指令を覆し、食料援助などに力を注いだ、という話が日本では大受けしている。

マッカーサーがこのとき本当にそのような心境になり、昭和天皇に心底の尊敬の念を抱いたかどうかはわからない。米国本国の指令に日本を徹底的に支配しろという司令はあったろうし、それは東京裁判やその後の思想コントロール、憲法制定などにも十分にうかがえる。果たしてマッカーサーがそこまで変えさせることが出来たかどうかは分からないが、ただ全権を任された総司令官が戦後の米国の対日方針にほとんど影響を与えることが出来なかったのかどうかは疑問が残る。

さて、上記の会見について、米国側などではマッカーサーの心境の変化などにはほとんど触れていないようだ。私が見た限りだが、日本で伝えられているような会見の模様が海外では別に伝えられているようには思えない。

例えば英文記事で MacArther Emeror Hirohito first meet 等などの単語を個別に、あるいは組み合わせて検索してみると色々な記事が出てくる。いくつか見ただけだが、概ね私の抱いた感想はそれらから得ている。

彼の自叙伝としてはDouglas MacArthur His Famous Autobiography Reminiscences があるが、私は読んでいないので、会見について彼がどの様に書いているのかは知らない。

確かに戦後米国人の意識も変わりはしたろうし、対日観もかなり良くなっているのは事実だ。が、それは日本が米国に寄り添っているからで有り、今のところそうする方が日本にとって有利なのと、確かにアジアの後進性、ヨーロッパの差別社会、豪州の明確な人種差別意識、そして話にならない中国ロシアなどに比べれば戦後から日本の選択肢は米国と絆を築くことしか無かった。

価値観は天地ほども違うが、妥協は出来たということだ。それは今でも変わらない。そして今米国は明らかに劣化しつつある。科学技術などはめざましく進歩しているが人権意識の低さ、社会格差、不平等、差別、無教養などなど所詮西欧国家であり、それに様々な他文化が未消化のまま入り組んでいる。日本が最初から米国を理想としていたわけではないが、受け入れる物は受け入れる姿勢はあったと思う。が、近年それに対し疑いを持つ日本人が増えてきたような気がする。大衆文化は確かに良いだろうが、精神文化と呼べる物が彼の国にあるのかという思いだ。

つまりは、日米が離反する、敵対では無い、離反する傾向が更に大きくなる懸念を私は持っている。

といって、まさか中国と精神的に接近するわけにはいかない。となると、日本の選択肢は自ずと限られてくるのではないか。


ー 続く





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