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発酵と腐敗

発酵と腐敗は、微生物が物質を変質させることで両者とも同じ現象だ。ただ、変質させた結果が人間にとって有益であれば発酵、有害であれば腐敗とされる。そして、有益か有害かは人間が判断するのであり、結局発酵と腐敗は人間が判断することになる。

分かりやすく言うと、昔納豆は関西人にとっては腐敗した大豆であり、関東の人間が関西の友人に納豆を送ったら礼状が来て、せっかく茹で納豆を送って貰ったけれど腐って糸を引いていたので残念だが捨てた、と書いてあった。そして、お礼の気持ちとして、鮒寿司が送られてきたが、関東人は嫌がらせに腐った魚を送ってきたと怒ったとか。まあ、多分作り話だろうが、ただ、本場のチーズなどでは日本人にとって腐っているのではないかと思えるような物があるのは事実だ。蛆のわいたチーズなどは典型例だろう。日本のクサヤも他国のことは言えないが。臭い発酵食品としては、例えばエスキモーが食べるキビヤックは鳥をアザラシの皮の袋に詰め込んで発酵させた物で、とんでもなく臭い。また鰊を缶詰にしたまま発酵させるシュールストレミングも室内で開けることが出来ないほど臭いとか。食べ慣れた人はたまらなく好きだが慣れない人には到底近づけないほど臭い。

大分話がそれたが、結局物の評価などその社会の通念、価値観、習慣によって時には百八十度変わると言うことだ。日本は世界でも有数のグルメ大国であり、ミシュランなどでの評価では、東京が世界では最も三つ星レストランが多いそうだが、フランス料理でも本場パリをしのいでいるとか。最も東京とパリではサイズ自体が全く違うので単純に数では比較は出来ないだろうが、ただそれを差し引いても日本のフランス料理は非常に優れているそうだ。ただ味が本場のフランス料理と比べて本当に優れているかどうかは一概には言えない。あくまで日本人の味覚に合わせているからであり、日本人が本場のパリの一流レストランで料理を食べても、日本の一流フランチレストランで食べる方が美味なのだそうだ。

レストランはともかく、納豆をうまいと思う欧米人は今でもあまりいないだろう。昔と違い、納豆が腐敗しているのではないことは理解されてきているが、それでも到底口に出来ないとは日本にいる外国人から何度か聞いた。米国人が緑茶に大量の砂糖を入れて飲むのをあきれている日本人の気持ちか。

また話が逸れた。

上記のシュールストレミング、キビヤック、くさやなど子供の頃から食べ慣れている人間には非常な美味だが、そうでない人間にとっては悪夢でしかない。が、それでも、自分が食べることを強制されない限り、あくまで人の好み価値観なのだからとやかく言う必要は無い。それが当たり前の人間の感覚だろうが、世界には自分たちがうまいと思っているのだからこれをうまいと思わないものは自分たちを馬鹿にしている、自分たちがうまいと思っている物を教えてやっているのだから感謝して食べるべきだ、と考える者達がいる。自分たちでだけならいくら食べようが構わないが、それを食べるように強制されるのではたまった物ではない。彼らにとって美味な発酵食品でもそれ以外の人間にとっては近づけたくもない腐敗物でしかない。ただ、口ではそれを嗜好している人たちをおもんばかって発酵食品と認めているだけだ。が、実際は腐敗物の範疇で考える。

がその区別が付かない人間が世界には沢山いる。むろん、隣の馬鹿ン国は言うまでも無いが、実は欧米にもその傾向はあるのではないかと最近思うようになった。なぜなら、何度も書いているが、国家力や先進性文化などに欧州の会社などは良く順位を付ける。最近でこそ日本の順位も結構高いし、それで気を遣っているつもりなのかも知れないが、その基準が彼らの価値観であり、日本の価値観は腐敗しているが最近はましになったという評価だ。

ところで、日本の会社がそのような国際比較をしている例を知らない。私が知らないだけかも知れないが、日本が日本の価値観、つまり発酵食品を基準にして欧米を比較することがあるだろうか。

絶対的な基準、即ち犯罪の少なさ、寿命の長さなどは別として西欧の基準が、日本も自分たちに近いから優れた国になってきたという見方があるような気がしてならない。おそらくこれは彼ら自身も気がついていない。彼らはこれを差別だなどと思っていない。褒めているのだから日本は喜ぶべきだと考えているのではないかと思えるのだが、私がひねくれているのだろうか。

発酵と腐敗を持ち出したのは、人間理屈抜きに好き嫌いで同じ生物による変質を言い分けているのが、西欧の価値観で人間を判断している状況に似ていると思ったからだ。意識した差別は意識を変えればなんとかなる。差別意識はなくならないが少なくとも行動や発言では抑えることが出来る。が、意識しない差別、すなわち無意識の差別がどうも蔓延しているような気がしてならない。これはかつてと違って相手のことがより多く知られるようになったからではないのだろうかと思っている。




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