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技術のみが富を創出する

この表題についてはこのブログで何度も何度も書いているし、まとめでは平成24年01月04日に「富の創出ということ」というタイトルで書いている。日本という国を考える時、この点を省くわけには行かないので繰り返すのだが、今日本を揺るがしている国際問題などもこの点が絡んでいると思われるので、繰り返しになるがちょっと新しい視点で書いてみたい。

人間は多くの動物よりも力は弱く、牙も無く、足も遅く、空も飛べず泳ぎも下手だ。が、それでもこの地球では頂点に立って繁栄している。それはむろん知能が高かったからだが、知能が高いだけでは他の動物には勝てない。知能が高かったために他の動物と戦うことが出来た。牙も爪も無いが、その代わりに石を投げつけ、棒で殴ることで戦い、そして倒した動物を食料とした。ただの石ころは何の意味も無いが、人間がそれを握って目標にぶつけることで、離れた距離から自分を襲う動物を倒すことが出来た。おそらくそれが人間の手にした道具の最初ではないのか。何の意味も無い石が武器として使える、これはいわば技術を言えるものの最初ではないのだろうか。技術が人間の地位を築いたその最初の一歩だと思う。

ただの石ころが技術で武器になる。それは今でも同じで、原油はただの汚い臭い液体だが、その存在を人間が気づき、採掘し精製し石油にすることで価値が生まれる。発見し採掘し生成する技術は西欧が持っていたが、その技術を持たないサウジアラビアは、単に汚い臭い地下の液体を西欧の技術で石油にし巨万の富を得た。サウジアラビアが富を作り出したのでは無い。西欧が作り出した富を分け前として得たに過ぎない。鉄も元々はただの石ころだが、採掘し精製し各種の機械や道具を作り出すことで大変な価値を持つ。しかし、それらの技術がただの汚い鉱物に価値を与えたのだ。

原油や鉄鋼を持っているだけでは価値がないし富を持っているわけではないが技術がそれらの物質に価値を与えた。100万円の車も、原料は価値のない鉱物の寄せ集めだ。が、技術が車にした。その端的な例が日本ではないか。日本はほとんど資源の無い小さな国土で、しかも農作物も国土の大半が山であるために十分に得られない。が、その日本が世界第二位の富裕国になっている事実は、(中国が世界第二位の経済規模というのは嘘だ。これについては何度も書いているので、ここでは省く)日本が他国に比べ高い技術を有しているからであり、しかも資源と違って技術は枯渇しないし、それどころか無限に増やし、持つことが可能だ。

かつて西欧が世界の富のそれこそ大半を握ったのも彼らに無から有を生み出す技術があったからだ。

ところが、近年西欧の没落は目に余るほど激しい。むろん、未だ世界では富裕な地域だが、相対的にアジアの成長などからすればかつてほどの富裕度を誇っているわけではない。かつて世界の富の大半を握っていた西欧が、今では単独で日本に対抗できる国が無くなっている。経済規模だけで言えば、日本に遙かかけ離されている。

考えてみれば不思議なことで、かつてドイツはカメラで世界を席巻していた。が、日本がカメラを作り始めてから程なく日本製のカメラに市場から駆逐されてしまった。日本製の価格が安かったせいもあるが、なにより価格に比べて性能が日本製の方が良かったからだし、その性能差は開きこそすれドイツがその地位を奪還することは出来なくなった。車も然り、家電などでもそうだ。仕方が無くドイツは高級品に移行せざるを得なかった。スイスの時計などにも言えるだろう。カメラや時計、車などは無論実用品としての性能が無ければガラクタだが、同時にステータスシンボルであり、欧米の様な、そして新興アジア、中南米などの富裕層はなおさらステータスシンボルとして高級品を持ちたがる。木の実の問題もあるからそれなりに彼らのカメラ、時計、車などは売れるし単価が高いから売れる数が少なくとも金額ではそこそこ利益が上がっており、彼らはそれで満足しているようだ。

が、車を例に挙げてみれば物流や旅行などに欠かせないものであり、そのためには燃費が良く故障が無く、そして価格が安い方が良いに決まっている。宅配便にロールスロイスを使う理由は無いのだ。カメラも同様だろうし、時計に至っては時間が正確で有ることが最大の必要要素であり、日本が水晶時計を作り出してからこの意味でのスイス時計は存在の意味が無い。今中国韓国製の安い時計が出回っているが、その安い時計で時間を知るという機能はスイス製以上だし、なにより壊れるのを気にする必要が無い。電池を替えるより買い換えた方が早いような代物だ。本来時計とはこのようなものであって、誰もが簡単に使えるから価値がある。むろん、趣味の問題で高級時計を持つこと自体は問題は無い。が、時計とは時間を計る道具であって、ステータスシンボルは二の次だろう。

時計やカメラ、車などを例に挙げたが、西欧がこの分野を高級品に絞った、その姿勢が彼らの技術全般に言えることであり、結局実用のための技術開発が出来なくなっている。これは富を創出する手段を彼らが失ったことを意味する。

彼らが技術を失った例として私が挙げるのは、例えば宇宙開発であり、かつては世界最先端の技術を持っていたはずのドイツまでが単独日本に匹敵する成果は上げられず、数カ国が固まってやっと日米に対しているが実情は日本にも及ばない。ロケット工学はドイツのフォン・ブラウンがその基礎を築いたと言って良い。が、そのドイツを含む西欧がその程度であり、今では新興の中国、インドにも分野によっては及ばないようだ。

一方日本は、戦後全く独力でペンシルロケットから始め、今では技術力では世界の最先端と言って良い。その予算規模などは到底欧米にも中国にも及ばない。目指す分野が違う空敢えて有人宇宙船などは手がけていないが、すでにその技術はかなり持っていると思われ、その気になればかなり早く実現できるのではないか。ただ、日本はその分野で別に他国に対抗意識を持っていないだけのことだろう。

新幹線は日本に遅れてフランスが作り出したが、基本性能は日本に遠く及ばない。

もっと象徴的な例としては、日本は70年ほど前、当時日本の40倍の生産力を持つとされていた米国や、当時の最先端国とされていた西欧とを相手に戦争をした。そして、世界最初の空母機動部隊を作り、また戦艦による戦闘から航空機による戦闘へと日本が率先して進め、なによりほぼ世界を相手に4年もの間戦ったというのは欧米にしてみれば全くの予想外だったはずだ。その前、日本は開国すぐに当時の世界の大国清との戦争に勝ち、それ以上に手強いロシアとの戦争に勝った。何故こんなことが出来たのか。

日本は開国してから西欧の機械文明を吸収したと思われているが、実際はその下地が無ければそんなことは出来なかったはずだ。

敗戦後ボロボロになった日本は、それこそ信じられないほどのスピードで復興し、歴史上の時間で言えばそれこそ一息二息の内に世界のトップクラスの富裕国になった。資源も領土も植民地も無い日本がだ。ひとえに日本の技術力が富を生み出したと言う以外にその理由が考えられるだろうか。

一方かつて世界の先端技術を持っていた西欧は急速にその技術レベルが下がり、技術で富を作り出すことが出来なくなった。そのため彼らが喰って行くには金融で稼ぐしか無くなった。とにかく、彼らのような階級社会の国々では金が無ければ下層階級の不満が国家を揺るがす。今のフランスの荒れ様を見るとそれがよく分かる。

ドイツがEUでも豊かなのは、ドイツが日本と違い貿易立国であり、市場であるEUとEUの中で固定されている通貨のためだ。だから、ドイツが単独で日本と張り合う事はもう出来なくなっている。その顕著な例が、フォルクスワーゲンとスズキ自動車の合併問題では無いか。結局相互に技術交換をするはずが、FVは一方的にスズキから技術を得るだけで提供しようとせず、スズキが激高して合併を解除した。FVは例えば今後車は電気自動車になるだろうがその根幹技術であるバッテリー技術は実質日本が押さえている。それが今後の電気自動車社会になった時何を意味するかは容易に想像できるだろう。

またルノーと日産の合併で、一時破産しかけた日産は確かにルノーからの資金支援で息を吹き返し、現在ではルノー日産グループで世界最大の売り上げを持つようになったがその実態は日産がルノーを支えている形になっている。そのルノーの最大の株主はフランス政府だ。付け加えるなら、日産が破綻しかけたのは、車が産業を支える基礎要素という基本から外れて、いわばヨーロッパ車のようなステータスシンボル路線を採ったからだ。むろん、需要が有るならそれもかまわないが、あくまで基本を貫きそこに軸足を置いての話だろう。同じようなことはシャープなどにも言えるようだ。

閑話休題。

いま、その日産で最高責任者だったカルロス・ゴーン氏が不正で逮捕されている。それに呼応するかのようにフランス検察局が、JOCの竹田氏をオリンピック委員会に賄賂を使ったとして嫌疑をかけているそうだ。なぜフランス当局が捜査権を持つのかは知らないが、仮にそうだとして、嫌疑段階で何故公表する必要があるのか。ゴーン氏逮捕に対する報復、嫌がらせと採られても仕方がないだうし、現実にフランスはマクロン大統領のポピュリズムが大変な状況を迎えている。金がある間は西欧諸国は優雅にしていられるが、彼らの経済的立場が弱まってくるにつれ、階級社会国家ではこのような事が起きる。ヨーロッパ全体が今非常にがたついているし、形振り構わず中国の金にすり寄ったりしているのは当たり前だろう。彼らが技術での優位性を失い、金融で金をかき集めていたのが、世界的に不況が慢性化してくるとあとはどうあがいても没落するしか無い。彼らの階級社会の欠陥を正そうとしても、どんなに早くて100年単位かかる。人間の価値観が変わるには一代二代で足りるはずが無いし、そして彼らは自分たちが優秀だと思い込んでいるから価値観を変えることが出来ない。

中国韓国が反日から切り替えることが出来ないのは、そうしなければ政府が保たないからだが、これを彼らが自力でどうにかして日本との協力関係を・・等は不可能なのと同じ事だ。

民族、国家の文化は100年単位では変わらない。日本も同じ事であり、今の日本の在り方はすでに数百年前から続いている。それは歴史を少しひもとけば容易に理解できる。

日本には富をひけらかす価値観は無かった。そんなことをするのは野暮だと馬鹿にされていた。一方、技術が富を生み出すことは数百年も前から日本文化の基本になっていた。だから、日本の伝統工芸はそれが数百年引き継がれ、また数百年続く企業が日本にはありふれている。

最近だが話題になった写真がある。天皇陛下がサウジアラビアの王子と会談をしている写真だがその部屋が極めて簡素であり、二人が座っている椅子も簡単ならその間に置かれている机、そして生けられた簡素な花などが日本文化を象徴していると話題になった。

日本建築には華美な装飾が無い。それは西欧の城、欧米の大金持ちの家などをみれば彼らがそれを権力の象徴として見せつけているのとは真反対だと分かるはずだ。

その日本が、実質世界第二位の富裕国であり、その富はひとえに技術が生み出している。この事実を十分に理解すべきだし、なぜ西欧が没落し続けているのかの理由と合わせて理解すべきだと思う。



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