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米国は本当に日本の同盟国といえるか

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プロフィールにも書いているように、私はアメリカを全面的に信頼しているわけではない。理由は様々有るが、もっとも問題なのはマニフェストデスティニーと称される、アメリカの価値観が世界標準であるべきとの身勝手さだ。それでも中国よりはましということで、アメリカとの同盟を支持している。それは今でも変わらないが、アメリカが同盟国として信頼出来るかどうかは別の話だ。つまり、アメリカ(に限らないが)他国との協調もあくまで自国の国益を最優先し、仮に国益が損なわれるとしても協調しない場合より損失が少ない範囲で協調するのが当然の外交政策であろう。後は、その手腕が優れているか劣っているかなどで、思惑通りに国益を守れたか否かが決まる。

最近急激にヨーロッパできな臭いことが起きているが、ウクライナ情勢が今のところ愁眉の問題となっている。そして印象としてアメリカの外向的未熟さが極めてはっきりと浮き彫りになったのではないかと思われるが、同時にアメリカの選択が日本の国益にははっきり食い違っていることが明らかになったのではないか。

ウクライナに対するロシアの事実上軍事的圧力発動に対し、欧米が経済制裁などに動いており、日本もそれに同調する姿勢のようだ。

赤文字は引用

<クリミア住民投票>日本も制裁実施検討

 ウクライナ南部クリミア半島の住民投票でロシアへの編入が承認されたことについて、政府は17日、「法的効力はなく承認しない」(菅義偉官房長官)との立場を表明した。欧米諸国は対露制裁の強化を検討しており、日本も制裁実施に向け検討に入った。ただ、北方領土問題を抱えるロシアとの関係悪化は避けたいのが実情。ロシアに対し、クリミア併合という最悪の事態を回避するよう、働きかけを強める考えだ。

ただ、日本と欧米とは全く立場が異なり、当然ながら国益も異なることから、日本が欧米に同調するためにロシアに対する制裁を発動することがあってはならない。あくまで、日本の国益を鑑みて、さらに欧米との協調がそれに叶う範囲での制裁にすべきだ。

もちろん、ロシアの覇権主義、領土拡張主義は日本にとっても絶対に認められず、もしそれに対し日本が融和的な姿勢を取れば中国の覇権主義、領土拡張主義に大義名分を与えることになる。とはいえ、今日本はロシアとも領土問題を抱え、また中国に対抗するためにロシアとの関係改善を図っている最中だ。

仮にロシアが欧米から厳しい制裁を受け、日本からも制裁を受ければロシアが本当に世界で孤立するため、残った選択肢として中国への接近を促しかねない。その結果、日本に対する脅威は飛躍的に高まることになる。欧米にしてみれば、アジアでの緊張増大はとりあえずヨーロッパとは関係のないことだと見なすことも可能なのだ。

したがって、あくまで日本が取りうるロシア制裁はヨーロッパとは異なるべきであり、しかし制裁をしなければそれはそれでロシアの拡張主義を認めることになる。その結果が

 ただ、欧米は金融取引の制限など経済制裁を検討しているのに対し、日本は制裁を実施する場合でも、査証発給停止など比較的影響の少ない措置にとどめたい考え。政府関係者は「各国にも温度差があり、同じ措置を取る必要はない」と語る。政府はロシアがクリミア併合の作業を停止すれば、欧州連合(EU)による仲介の可能性が残るとみており、ロシアに重ねて自制を求めていく。【竹島一登】

このような日本の選択になるのは当然だろう。欧米とのお付き合いで制裁をするのではなく、日本の立場として、力で世界秩序を変えることは看過出来ないとの姿勢で制裁を行うべきだ。何もしなければ、むろん、ロシアや中国に与することになる。

そして、その欧米の対ロシア制裁だが、実際は痛し痒しの問題がある。まず西欧はロシアからのガスに依存している部分があり、また多くの企業、特にEUの経済を牽引しているドイツなどはロシア内でかなり活発な事業活動を行っており、国家間の関係とは別に経済関係はかなり緊密になっている。口では制裁発動を言っているが、どこまでそれが実行出来るかは問題だし、またロシアが軍事介入をしたら厳しく対応するとのことだが、実際にはロシアは直接の軍事介入をしているわけではない。確かに軍事圧力はかけたが、軍事力を発動してはいない。ヨーロッパは、ロシアに対して軍事対峙も辞さないようなことを言っていたが、ロシアはそれに対して口実を与えていない。

これは長年のヨーロッパとロシアの関係も関係している。長年、ヨーロッパの敵はロシアだった。これはすでに感情的な物であり、欧州とロシアの敵対関係は理屈を超えた物がある。中国が日本を感情的に敵視しているのと似ているが、欧州とロシアは双方が潜在的にこのような感情を持っているし、それにロシアは確かに西欧の価値観とは相容れない。

ところで、アメリカだが

米の対露弱腰政策、中国を増長 尖閣防衛の意思に疑問符

クリミアはテストケース

 「(今回の米国の対露戦略は)いつの日にか起こりうる中国との、より大規模な衝突のテストケースになるだろう」

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のギデオン・ラックマン記者は11日付の解説記事で、米国の対応にはプーチン政権だけでなく、中国指導部も固唾をのんで見守っていると指摘した。


アメリカはロシアと直接軍事対決をしたことがない。代理戦争では何度もぶつかったが、直接の軍事対決をする決意を持ったことがない。強いて言えばキューバ危機の時くらいだろうが、今のオバマ政権にはそれほどの認識もない。アメリカにとって、ロシアは西欧譲りの不信感はあるだろうが、同時に戦えば自国が壊滅しかねない相手との思いもあるし、実際にロシアにはその手段がある。

一方、中国に対しては極めて認識が甘く、いずれ中国がアメリカに逆らうはずがないとの思いこみがあるようだ。

 尖閣諸島はクリミア半島と異なり、日米安保条約第5条の適用範囲であり、米国に防衛義務が生じるが、それでもラックマン氏は、クリミアでさえ手をこまねくオバマ政権が、米国にとっては「地球の裏側の無人の岩」を守るため、本当に中国と対峙するのだろうかと指摘。世界第2位の経済大国で、米国債の保有高では世界最大の中国に対し、返り血を浴びることも恐れずに経済制裁を発動できるのかとも問いかけた。

おそらくそれはないだろう。だから、とにかく中国ともめ事を起こすな刺激するなと日本を押さえにかかっている。つまり、今のオバマ政権には、ロシアにも中国にも腰が退けているが、ロシアに対してはそれでも経済制裁を持ち出すとして、中国に対しては一切そのようなことをする気はない。今のところ、中国を怒らせてアメリカとしては何の得もなければ、日本を押さえた方が簡単だからそうする。そこに、日中のどちらに整合性があるかなどは無関係であり、だからこそ、アメリカは急速に信頼を失っている。

 5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、プーチン政権への強力な対抗策を見いだせずに「減少するばかりの米国の信頼性は(中露の)攻撃的な日和見主義を扇動する」と指摘。尖閣諸島やスプラトリー(南沙)諸島で軍事プレゼンスを引き上げなければ、中国の威圧に日本や他国は抵抗しきれなくなると警告する。

したがって、今回のロシア制裁についても、結局は西欧の尻馬に乗った形であり、シリア制裁の時のような軍事介入は全く政権として口にしていない。なにしろ、シリアに対する軍事介入は、ロシアに対する軍事介入ほどの危険性など全くないにもかかわらず、アメリカ議会はオバマ氏にGOサインを出さなかった。今回はオバマ氏が軍事行動など全く匂わせもしない。世界もそんな予想など最初からアメリカにはしていない。

 ワシントン・ポストの3日付社説も習近平政権が尖閣諸島をめぐり、日本に「砲艦外交」を仕掛けていると指摘し、バラク・オバマ大統領(52)に中露の「不品行の責任はないが、彼らが行動を起こす前に代償と対価を考慮させる仕組みを構築するため、主導的な役割を果たせるだろう」として、より積極的に圧力を加え、中露を封じ込める重要性を強調している。

オバマ政権にはこのような場合どうしたらよいのかの判断を下せる人間が居ない。禍は小さなうちにつみ取る、対処することが必要なのだが、アメリカはいつも大きくしてからあたふたしてきた。中国との宥和政策をアメリカにもたらしたのは、代表的な人物としてジョセフ・ナイが居る。つまり、彼はハードパワーによる対中政策よりも、ソフトパワーによる物を重視すべきだとの見解をアメリカ民主党の植え付けた人物として知られる。別に彼自身日本に対して敵対的なわけではなく、むしろ知日派とされるが、決して中国を理解していたわけではない。

結局今のアメリカはハードパワーをつかわず、ソフトパワーのみでアメリカの存在を示すべきだと信じているようだが、世界はアメリカのハードパワーを信じているのだ。それなのに、オバマ政権は中国との軍事的対決よりも、妥協の方が、アメリカにとって有利だと信じている。正確には、中国を刺激さえしなければ中国がアメリカに逆らうはずがないとの思いこみが背景にあるのではないかと思われる。


日米同盟は中国を対象としない!!!

 ところが、中国という国に対しては、証言の全体の語調がいかにもソフトであり、融和の傾向が強いのだ。アジア・太平洋全域の安定や平和を崩す、あ るいは崩し得る動きとしては北朝鮮を明記するだけで、中国にはそうした扱いをしない。むしろ中国は米国と共に地域全体の平和や安定に寄与する存在であるか のように描いていくのだ。

 ラッセル国務次官補の融和的な対中国姿勢は、次の証言に象徴されていた。

 「北東アジア地域での米国の同盟関係(日米同盟や米韓同盟)は、そのいずれもが中国を対象とはしていないことを明確にしたい」


結局、中国は決して世界が心配するような無法者ではないので、刺激さえしなければおとなしいはずだ。だから、日本との同盟関係も中国を敵として想定する物ではないと言うことだ。確かに今中国はアメリカと正面切って軍事的にぶつかるつもりはないだろう。まともに軍事衝突をすれば喩え飽和攻撃を用いてもアメリカに勝てる目算は絶対にないし、核で対決してもせいぜい相互確証破壊に持ち込めるだけだ。それは中国としても選択したくない方法だが、日本となれば話は別だ。

日本の兵器は中国の物とは桁違いに優れている。したがって、同じ規模での軍事衝突なら中国には勝ち目がない。それくらいは中国も認識しているので、中国に採れる通常兵器での対日戦略は数で圧倒するしかない。それに対し日本には対抗手段がないが、仮に持ちこたえても、中国は日本に負けるわけには行かない。万が一負ければ、中共は崩壊する。したがって最終的には核の使用もあり得ると想定するのが日本の安全保障になるのだが、アメリカにはそのような認識は無い。

 オバマ政権としては、日米同盟の効用や機能は堅持したいが、実際に軍事行動の発動というような事態は絶対に避けたい、そのためには中国に対しては 最大の外交配慮を払いたい、ということなのだろう。だが、そうした対決や摩擦を恐れる姿勢こそが潜在敵を増長させることも、現実の危険性として認識してお くべきなのではないだろうか。

アメリカにはそれを認識し、予防手段を執るだけの能力がないと言うことだろう。つまり、極めつけの外交音痴であり、アメリカの敵はロシアのみとのすり込みから抜けられないのだ。そうやって、アメリカは繰り返し繰り返し己の敵を育ててきた。いま、日本を敵に回しかねない選択をしているが、アメリカはよもや日本がアメリカに逆らうはずがないと思いこんでいる。が、日本が存亡の危機に瀕したとき、アメリカが同盟国としての義務を果たす気がないと見極めれば、日本は自国の生存のためにアメリカとも離反しなければならない。まさに中国のねらいはそれなのだが、それを見通せる知恵がアメリカにはない。

米、対露戦略で中国への関与強化、日米分断の危険性も

 【ワシントン=青木伸行】ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国の併合を決めたことで、オバマ米政権は今後の重要な対露戦略のひとつとして、中国の協力を取り付けるため対中関与を強めていくとみられる。ただ、その過程でオバマ政権が、中国の主張する「新型大国関係」に強く傾斜すれば、日米分断を含む「中国の罠(わな)」にはまる危険性を強く内包してもいる。

何故、アメリカがこのような中国の罠にはまる危険性をはらんでいるのか。中国に対して無知だとの理由しかない。上記のジョセフ・ナイによるソフトパワーによってアメリカの力を示すやり方が、中国から見ればアメリカの弱体化でしかなく、中国に誤ったサインを出し続けている自覚がない。

 これに対し、オバマ政権は当初から、ウクライナ情勢の対応における「中露接近」を警戒してきた。政権にとっては今後、中国に少なくとも「中立」の立場を維持させ、願わくば、ロシアのいっそうの孤立化を図るうえで、中国を引き寄せたいとの思惑がある。

中国は今のところロシアの出方、そしてアメリカの出方を見守っている。もし、ロシアが本当に欧米から孤立するようだったら、中国は積極的にロシアに接近するだろう。基本的にロシアは中国を全く信用していないし、それは中国も同じ事だ。だが、彼等の論理は敵の敵は味方であり、おのおのが孤立するくらいなら中ロが協力することで圧倒的な軍事的優位をアメリカに対して持てる、すなわち米中による世界支配ではなく、中ロによる世界支配さえ持ちかけるだろう。実際にそれが実現した場合、アメリカには軍事的な対抗手段が無くなる。

銃撃戦、初の死者は部隊長 「責任はプーチンにある」暫定政権、武器使用を許可 

【シンフェロポリ(ウクライナ南部)=内藤泰朗】ウクライナ南部クリミア自治共和国の中心都市シンフェロポリで18日、ロシア軍とみられる部隊が市内にあるウクライナ軍の施設を襲撃し、ウクライナ兵1人が死亡、少なくとも1人が重傷を負った。ロシアがクリミアに介入して以降、衝突で死者が出るのは初めて。ウクライナ暫定政権の大統領代行を務める最高会議(議会)のトゥルチノフ議長は事態を受け、クリミアのウクライナ軍に対し、自衛目的の武器使用を許可するなど、軍事的緊張が高まりつつある。

これは偶発だろうが、戦争は往々にしてこのような偶発が引き金になることがある。ロシアにしても、積極的に欧米を敵に回したくはないだろうが、だからといってクリミアを放棄するようなことをすれば、国内で政権が信頼を失う。当然ロシアがまともな国なら、ウクライナのことはウクライナに任せ、クリミアにおけるロシア系住民に対しても、騒ぐなと言うだけで良かったろうが、そうは出来ないのがプーチン政権と言うことだ。

 また、ロシアが一方的にクリミア併合を決めた事実を利用し、中国が東・南シナ海などにおける自身の領土・領有権の“拡張主義”を、正当化しようと考える恐れもある。

というよりも、それが中国のねらいだろう。今のところ、ロシアは一度手にしたクリミアを手放すことはしないだろうし、それに対し欧米がどれほどの制裁を実行するかはわからない。またそれがどれほど続くかも分からない。しかし、既成の事実になってしまえば、ロシアの覇権主義は世界が認めたことになる。いずれにせよ、欧米がロシアに対して軍事行動を採るとすれば、それこそ大変なことになりかねない。なにしろ、今までの代理戦争と違い、直接の米ロ軍事対決は、決着が付くまで終わらない。かつてのキューバ危機のことをロシアは失敗だと考えている。なにしろ、日露戦争でさえロシアは敗戦を認めていないのだ。

欧米とロシアの対決が大きくなればその時中国がどう動くかは目に見えている。それに対処出来るのは日本しかないが、オバマ政権はそれを認めたくないだろう。

とすれば、本当にアメリカとの同盟関係が日本の国家安全保障に役立っているのかを見直す必要があると言うことだ。

引用されているURLの記事を読む場合は下記の「続きを読む」をクリックして下さい。内容確認以外なら、敢えて読む必要はありません
以下は参照用の資料ですので、確認をされる以外はあえて読む必要はありません。

<クリミア住民投票>日本も制裁実施検討


毎日新聞 3月17日(月)20時5分配信


 ウクライナ南部クリミア半島の住民投票でロシアへの編入が承認されたことについて、政府は17日、「法的効力はなく承認しない」(菅義偉官房長官)との立場を表明した。欧米諸国は対露制裁の強化を検討しており、日本も制裁実施に向け検討に入った。ただ、北方領土問題を抱えるロシアとの関係悪化は避けたいのが実情。ロシアに対し、クリミア併合という最悪の事態を回避するよう、働きかけを強める考えだ。

【独立を宣言】クリミア ロシア編入求める決議を採択

 菅氏は17日の記者会見で「ウクライナの主権と領土の一体性を尊重し、併合に踏み出さないよう強く求める」と述べた。同日夕には首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開催。貿易を所管する茂木敏充経済産業相も加わり、ウクライナ情勢を分析するとともに、制裁の具体策を検討したとみられる。

 日本は、クリミアが併合されれば「個別、共同でさらなる行動をとる」と制裁強化を表明した12日のG7(ロシアを除く主要7カ国)共同声明に加わった。すでに査証(ビザ)発給停止などの措置を取った欧米と異なり、日本はまだ具体的な制裁を実施していないが、外務省幹部は「制裁強化と同じタイミングで行動に出なければ、日本が批判を浴びる」と語る。

 ただ、欧米は金融取引の制限など経済制裁を検討しているのに対し、日本は制裁を実施する場合でも、査証発給停止など比較的影響の少ない措置にとどめたい考え。政府関係者は「各国にも温度差があり、同じ措置を取る必要はない」と語る。政府はロシアがクリミア併合の作業を停止すれば、欧州連合(EU)による仲介の可能性が残るとみており、ロシアに重ねて自制を求めていく。【竹島一登】


米の対露弱腰政策、中国を増長 尖閣防衛の意思に疑問符

2014.3.18 11:04

国連安全保障理事会で15日、クリミアのロシア編入の是非を問う住民投票を「無効」とする決議案を採択する前に、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使(手前左)に話しかける米国のサマンサ・パワー国連大使(手前右から2人目)。この直後にロシアは、米国は強力な制裁を打ち出せないと高をくくるかのように拒否権を発動。決議案は否決された=ニューヨーク(AP)
国連安全保障理事会で15日、クリミアのロシア編入の是非を問う住民投票を「無効」とする決議案を採択する前に、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使(手前左)に話しかける米国のサマンサ・パワー国連大使(手前右から2人目)。この直後にロシアは、米国は強力な制裁を打ち出せないと高をくくるかのように拒否権を発動。決議案は否決された=ニューヨーク(AP)

 ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国で、実質的な軍事介入に踏み切った。冷戦時代の旧ソ連を思わせる問答無用の振る舞いは、周辺国の懸念も深めている。そこで注目されるのが、冷戦時代に旧ソ連と対(たい)峙(じ)してきた米国の対応だ。欧米メディアはオバマ政権の今後のかじ取り次第では、ロシアだけでなく、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を虎視眈々(たんたん)と狙う中国を勢いづけかねないと警鐘を鳴らしている。

クリミアはテストケース

 「(今回の米国の対露戦略は)いつの日にか起こりうる中国との、より大規模な衝突のテストケースになるだろう」

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のギデオン・ラックマン記者は11日付の解説記事で、米国の対応にはプーチン政権だけでなく、中国指導部も固唾をのんで見守っていると指摘した。

 ラックマン氏は21世紀の世界では「最も危険なライバルが、そのまま重要な貿易相手になる」と指摘し、軍事的な「力の誇示」が最大の武器だった冷戦当時と現代では事情が異なると述べ、経済制裁を優先するオバマ政権に一定の理解を示す。

 それでも、これ以上、オバマ政権が手をこまねいていれば、プーチン露政権の増長を許し、ロシアによる現状変更が既成事実になりかねない。

 尖閣諸島や南シナ海への影響も必至だ。オバマ政権は「力による現状変更は認めない」と繰り返しているが、すでに中国は防空識別圏の設定で一方的に現状を変更している。軍事力を背景にした隣国への圧力に米国が何ら手を打たないことがクリミア情勢で明確となれば、中国が“次の一手”を打ってくる可能性は増してくる。

尖閣防衛の意思に疑問符

 尖閣諸島はクリミア半島と異なり、日米安保条約第5条の適用範囲であり、米国に防衛義務が生じるが、それでもラックマン氏は、クリミアでさえ手をこまねくオバマ政権が、米国にとっては「地球の裏側の無人の岩」を守るため、本当に中国と対峙するのだろうかと指摘。世界第2位の経済大国で、米国債の保有高では世界最大の中国に対し、返り血を浴びることも恐れずに経済制裁を発動できるのかとも問いかけた。

 保守系の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイケル・オースリン日本部長は、さらに強硬だ。

 5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、プーチン政権への強力な対抗策を見いだせずに「減少するばかりの米国の信頼性は(中露の)攻撃的な日和見主義を扇動する」と指摘。尖閣諸島やスプラトリー(南沙)諸島で軍事プレゼンスを引き上げなければ、中国の威圧に日本や他国は抵抗しきれなくなると警告する。

重要な封じ込め圧力

 ジョンズ・ホプキンズ大のエリオット・コーエン教授も米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、「ロシアが罰を受けずに(クリミア自治共和国を)引きはがすことができれば、中国が尖閣で同じことをできないはずはない」と考えるだろうと指摘した。

 ワシントン・ポストの3日付社説も習近平政権が尖閣諸島をめぐり、日本に「砲艦外交」を仕掛けていると指摘し、バラク・オバマ大統領(52)に中露の「不品行の責任はないが、彼らが行動を起こす前に代償と対価を考慮させる仕組みを構築するため、主導的な役割を果たせるだろう」として、より積極的に圧力を加え、中露を封じ込める重要性を強調している。

 ラックマン氏の解説記事に限らず、クリミア半島の緊張を伝える欧米メディアの論説記事では、ロシアの行動に覇権主義をむき出しにする中国を重ね、米国に対応を迫るケースが多いのが特色。中露の覇権主義への警戒感は強まる一方だ。(国際アナリスト EX)


日米同盟は中国を対象としない!!!

2014.03.14 02:24


日米同盟は曲がり角を迎えたどころか、もうすっかり変質してしまったといえそうです。

 なにしろオバマ政権の代表は「日米同盟は中国を対象しない」と断言するのです。

 日本にとって米軍の抑止力は中国からの軍事の攻撃や威嚇を対象とはしない、ということになれば、一体、なにを対象とするのでしょうか。

 北朝鮮の日本にとっての軍事脅威は中国のそれの足元にも及びません。

 いくら中国への気遣い、レトリック、及び腰からの建前だったとしても、重大な発言です。ショッキングな言葉です。

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40149

国際激流と日本
日米同盟も中国も大切にしたいオバマ政権 日本との絆を確認しつつ中国にも配慮
                            ++++++++

「日米同盟、米韓同盟は中国を対象としていない」
 さて同次官補の証言の第3の特徴は、オバマ政権全体としての中国への遠慮である。

 証言は、中国が東シナ海で防空識別圏(ADIZ)を突然かつ一方的に宣言したことを批判する。南シナ海での軍事がらみの強引な領有権主張にも、受 け入れる姿勢は見せない。特に尖閣諸島については、「現状を違法あるいは非外交的な方法で変えようとする試み」として反対を明言する。

 ところが、中国という国に対しては、証言の全体の語調がいかにもソフトであり、融和の傾向が強いのだ。アジア・太平洋全域の安定や平和を崩す、あ るいは崩し得る動きとしては北朝鮮を明記するだけで、中国にはそうした扱いをしない。むしろ中国は米国と共に地域全体の平和や安定に寄与する存在であるか のように描いていくのだ。

 ラッセル国務次官補の融和的な対中国姿勢は、次の証言に象徴されていた。

 「北東アジア地域での米国の同盟関係(日米同盟や米韓同盟)は、そのいずれもが中国を対象とはしていないことを明確にしたい」

 この発言は考えようによっては衝撃的な内容である。日本の領海や領空に頻繁に軍事的意味合いの強い侵入を繰り返し、日本の自衛艦に射撃の照準を合 わせ、しかも日本領土全域を射程に収める弾道ミサイルを多数配備する中国が「日米同盟の対象ではない」というのだ。日本の固有の領土に軍事侵攻をしかけか ねない中国が日米同盟適用の対象ではないとすれば、同盟の効用とはいったいなんなのか。

 しかし、中国に対するこうした及び腰の姿勢は、オバマ政権が誕生したときからの一貫したトレードマークだとも言える。「アジアへの旋回」やアジア での「空・海戦闘」新軍事態勢でも、オバマ政権は中国がその対象であることを決して認めない。明言もしない。中国をむやみに刺激して緊張をいま以上に高め ることを避けたいという外交配慮ではあるのだろう。

 だが、その配慮も行き過ぎれば、中国が軍事行動を起こしたときに日米同盟が有効に機能しないのではないか、という疑問をますます強めさせることになる。

 オバマ政権としては、日米同盟の効用や機能は堅持したいが、実際に軍事行動の発動というような事態は絶対に避けたい、そのためには中国に対しては 最大の外交配慮を払いたい、ということなのだろう。だが、そうした対決や摩擦を恐れる姿勢こそが潜在敵を増長させることも、現実の危険性として認識してお くべきなのではないだろうか。

(終わり)

米、対露戦略で中国への関与強化、日米分断の危険性も

2014.3.19 08:16

 【ワシントン=青木伸行】ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国の併合を決めたことで、オバマ米政権は今後の重要な対露戦略のひとつとして、中国の協力を取り付けるため対中関与を強めていくとみられる。ただ、その過程でオバマ政権が、中国の主張する「新型大国関係」に強く傾斜すれば、日米分断を含む「中国の罠(わな)」にはまる危険性を強く内包してもいる。

 ウクライナ情勢に対し、中国はこれまで「中立」という微妙なスタンスをとっている。

 中国にとりロシアは「重要な戦略パートナー」である一方、ウイグル、チベット族による民族問題を国内に抱えている。「領土的一体性」を損なうクリミアの分離と独立、さらにはロシアへの編入を支持すれば、中国国内の分離・独立運動に波及しかねないためだ。

 このため習近平国家主席はこれまで、プーチン大統領との度重なる電話会談で、ロシアへの軍事介入への支持を与えず、「政治的な解決」を主張。同時に、オバマ大統領との電話会談では、主権と領土の一体性の原則を支持することで一致する一方、対露制裁には同調しない姿勢を示した。また、国連安全保障理事会でのクリミア住民投票を無効とする決議案の採決に際しては、棄権に回った。

 これに対し、オバマ政権は当初から、ウクライナ情勢の対応における「中露接近」を警戒してきた。政権にとっては今後、中国に少なくとも「中立」の立場を維持させ、願わくば、ロシアのいっそうの孤立化を図るうえで、中国を引き寄せたいとの思惑がある。

 このためオバマ大統領は24、25両日にオランダ・ハーグで開かれる核安全保障サミットに出席する際、習主席と会談し、今後の対応への協力を取り付けたい考えだ。

だが、「中国は『中立』の立場を巧妙に利用し、米国を『新型大国関係』に傾斜させるという『漁夫の利』を狙っている」(外交筋)との見方もある。

 オバマ政権は北朝鮮問題で中国の協力を引き続き必要としているうえ、これにウクライナ情勢が加わり、政権を「新型大国関係」へと後押しする力学が働く可能性は高い。

 また、ロシアが一方的にクリミア併合を決めた事実を利用し、中国が東・南シナ海などにおける自身の領土・領有権の“拡張主義”を、正当化しようと考える恐れもある。

銃撃戦、初の死者は部隊長 「責任はプーチンにある」暫定政権、武器使用を許可 

2014.3.19 10:16

 【シンフェロポリ(ウクライナ南部)=内藤泰朗】ウクライナ南部クリミア自治共和国の中心都市シンフェロポリで18日、ロシア軍とみられる部隊が市内にあるウクライナ軍の施設を襲撃し、ウクライナ兵1人が死亡、少なくとも1人が重傷を負った。ロシアがクリミアに介入して以降、衝突で死者が出るのは初めて。ウクライナ暫定政権の大統領代行を務める最高会議(議会)のトゥルチノフ議長は事態を受け、クリミアのウクライナ軍に対し、自衛目的の武器使用を許可するなど、軍事的緊張が高まりつつある。

 ロイター通信などによると、ロシアのプーチン大統領がクリミアを「併合」する条約に調印した18日、ロシア軍とみられる部隊の狙撃兵が施設を警備していたウクライナ兵を射殺した。負傷したのはウクライナ軍部隊の隊長だという。

 ウクライナ国防省によると、襲撃者らはロシア軍の軍服を着ており、同基地司令官を人質にとり、近くの建物に立てこもった。インタファクス通信は18日、クリミア警察当局の話として親ロシア派の「自警団」にも死者が出たと伝えたが、確認されていない。

 トゥルチノフ議長は声明で「ロシアのプーチン大統領に全ての責任がある」と表明した。暫定政権のヤツェニュク首相は、襲撃は「戦争犯罪」だとし、「クリミア問題は政治的局面から軍事段階に入った」との声明を出した。

 クリミアでは、ロシアへの編入が決まったことで、ウクライナ軍施設などを接収する動きが活発化するとみられ、ロシア側の出方次第では大規模な衝突に発展しかねない状況にある。
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コメント

もうオバマ政権は外交としてレームダック状態以上だと思いますね。ロシアに対しての制裁措置も全く意味をなさない。
この中で安倍内閣はプラスに持っていってる。河野談話見直しせずとかで一部ネットウヨから批判が出てるけど、これで日韓首脳会談でアメリカの懸念を払拭して着実にアメリカと肩を並べて対話する段取りを作ってきてると感じます。ようするにアメリカの東アジアの安全保障での日韓関係について日本は言う事を聞いた訳ではなく、貸しを作った印象があるんですけどどうでしょうか?
東アジアのみならず、ロシアとの外交に日本がこれから橋渡しすると協力関係をアメリカに問えば、オバマ大統領の信認はかなり強固なものになっていけると推測していまいます。
韓国は…駄々をこねてはきますが、北朝鮮との外交も進んでる日本に脅威を感じて非難するだけだと思います。アメリカも理解してるとは思いますが。

ウクライナ情勢の裏で中国が動き始めています。 台湾国会で中国とのサービス貿易協定が強行採決へ。学生や弁護士などが国会を占拠する事態に発展していますが、馬英九政権が中国資本とで台湾を属国化する段階が鮮明になってきました。またブログ内で書いて頂けると思いますが全くといって日本のメディアでは扱われません。
台湾の日本企業にも打撃を与える問題であるだけに不安要素が1つ増えてしまいましたね。

No title

>2014-03-21 11:53 | 黒紙様

>もうオバマ政権は外交としてレームダック状態以上だと思いますね。ロシアに対しての制裁措置も全く意味をなさない。

全ての大統領が二期目にレームダックになるわけではなくむしろ再選のための人気取りをしなくて住むだけ思い切った政策を採ることも出来ます。オバマ氏には実績となる政策が無く、売り物のオバマケアも見通し立たないため、急速にレームダックになっている物と思われます。

>この中で安倍内閣はプラスに持っていってる。河野談話見直しせずとかで一部ネットウヨから批判が出てるけど、これで日韓首脳会談でアメリカの懸念を払拭して着実にアメリカと肩を並べて対話する段取りを作ってきてると感じます。

河野談話継承は私も批判しています。しかし、作成過程を検証し矛盾が出れば談話見直しは必然であり、それをしないわけには行かないことを見越しての継承宣言だろうと思っています。とりあえず、オバマにとって日韓どちらの主張が事実に基づいているかはどうでも良いのであり、オバマの顔を立てたと言うだけのことでしょうね。安倍氏は、オバマ氏を見限っていると思います。結構共和党との接触をしているようです。

>ようするにアメリカの東アジアの安全保障での日韓関係について日本は言う事を聞いた訳ではなく、貸しを作った印象があるんですけどどうでしょうか?

アメリカは仮が出来たとは思っていないと思いますよ。日本がアメリカの言葉にしたがったとしか考えないと思いますが。

>東アジアのみならず、ロシアとの外交に日本がこれから橋渡しすると協力関係をアメリカに問えば、オバマ大統領の信認はかなり強固なものになっていけると推測していまいます。

いや、オバマ氏には先を見通す能力はないですね。その場しのぎで精一杯です。将来ロシアとの関係改善が必要だと今は考えていないのでは?

>韓国は…駄々をこねてはきますが、北朝鮮との外交も進んでる日本に脅威を感じて非難するだけだと思います。アメリカも理解してるとは思いますが。

それはそうですね。OINKですから。
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>ウクライナ情勢の裏で中国が動き始めています。

ええ、中国にしてみれば台湾を手に入れることで太平洋への出口を確保出来ますから。それはアメリカも理解しているのでそれが本格的になれば日本に何とかしろと言い出すでしょうね。日本にしてみれば、日本海が中国に開け放たれている以上、太平洋が中国に開かれてもそれほど大きな違いはなく、別にアメリカのために危険を冒す意味もあまり無いと思います。
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