国を損なうのが日本の知識人?

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知識人とは、知識のある人という意味だろう。しかし、次の記事にあげられている”知識人”が本当に知恵のある人なのかははなはだ疑わしい。特定分野で知識はあるのかもしれないが、全体を見通し判断する知恵に欠けているとしか思えないからだ。

むろん、彼らだけが知識人ではない。多くの知識と知恵をともに有する人々は大勢いる。しかし、己の知識におぼれ、己の知識を絶対として他を批判する連中は、知識はあっても知恵のない愚か者と断ずるのは無謀だろうか。

多少の知識をひけらかし、それを他者が認めず評価せずあまつさえ尊敬もせずにむしろ無視すると怒り狂う人間がいる。俺はこんなに物知りなのにどうして尊敬しないのか、というわけだ。そんな人間だから尊敬などされないし、人々は遠ざかる。すると、ますます持論を振り回し、それが国家をどのようにおとしめようといっさいかまわない。

知識人にも多数有るが、下記などは最悪の部類だろう。

赤文字は引用

日本の知識人や市民団体、独島・尖閣問題めぐり反省求める

 「許すな!憲法改悪・市民連絡会」などの市民団体は28日午後、国会で1270人の署名を添えたアピール文を発表した。同文にはノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏や、本島等・元長崎市長などが署名し「日本は韓国や中国が最も弱く、外交的な主張ができなかった時代に、竹島や尖閣諸島を編入した。日本人は竹島が、韓国国民にとっては侵略や植民地支配の始まりであり象徴だと考えられていることを理解すべきだ」と語った。

ほかに誰が連名しているかは知らない。がとりあえずここで名の上がっている両名を見るなら、大江氏は全く科学的検証をせずに己の知名度だけで脱原発を訴えている老害そのものの存在だ。長崎市長は、かつてオバマ大統領がプラハで核拡散防止を訴えたとき、自分たちはオバマジョリティを名乗り、世界の核拡散防止を訴えてゆくと高らかに宣言し、その直後米国が新型核弾頭の開発を進め臨海前テストを行ったとき抗議をした人物だ。

オバマ氏の核拡散防止が何を意味するか、すなわち、既存の核保有国以外に核を持たせないが、自分たちは核を放棄せず、今後も開発を続けると宣言しただけなのに、それを理解する知識も知恵もなかった人物だ。

竹島は、日本が発言力の最も弱い時期李承晩が勝手に李承晩ラインを引き、竹島を強奪し4万人もの日本人漁船員を人質にとって日本に竹島の放棄を迫ったものだ。その後実行支配を続けているから竹島が韓国の既得権に入るという理屈は通用しない。日本は一貫して竹島の領有を宣言し続けている。つまり韓国が最も力のない時に日本が奪い取ったのではなく、韓国が日本の一番力も発言力もない時人質を取って竹島を強奪したのだ。

尖閣については中国自体が清朝の頃から日本領であることを認める公式文書を何度も出している。70年代になっていきなり領有権を主張し始めたのであり、むろん、日本が中国の力の弱いときに奪い取ったものではない。当時、中国が建国する前、国際的な決定、すなわちサンフランシスコ条約により日本の領有が確認されたのであり、これらの知識人の主張はまったっく特亜の主張通りであるにすぎない。自分で国際法上の精査をしてみたならとうていこのような恥ずべき事は言わないだろう。要するに、誰も自分の偉さを認めないから、人目を引く主張をしている目立ちたがり屋にすぎない。

当然特亜は積極的にこれを利用し、日本の良識ある知識人は正しい歴史を認識しているのに、極右どもは歴史を歪曲しているとの宣伝に使うわけだ。

政府はこのような連中を野放しにせず、公開の場でその主張の裏付けをさせるべきだろう。主張をさせるのだから、これほど言論思想の自由を尊重した処置はないはずだ。

 また、尖閣諸島をめぐる日中両国の対立については「国交正常化40周年という節目に友好を紛争に転じた原因は、石原慎太郎・東京都知事の尖閣購入宣言と、それを契機とした日本政府の国有化方針にある。中国にとってはこれが『領土問題の棚上げ』という暗黙の合意に違反した、いわば『挑発』だと映っても不思議ではない」と指摘した。

国交何年であろうと、匪賊国家、全体国家、独裁国家、軍事国家、ねつ造国家との友好などあり得ない。そのような存在は、十分に警戒し、油断をせずに、決して近づけずにそして目を離さないでいるしかない。むしろ石原氏は本来あるべき正常な日中関係を引き出したと言える。

今の姿が正常な日中関係なのだ。これを、元に戻そうとする民主政権こそ、日本を危うくする売国奴だ。

 一方、日本の経済界を代表する日本経済団体連合会(経団連)の米倉弘昌会長は28日、NHKとのインタビューで「野田佳彦首相は日中間の領土をめぐる対立に際し、もっと柔軟な姿勢を見せるべきだ」と批判した。米倉会長は「野田首相が『尖閣諸島には領有権問題が存在しない』と発言していることは理解に苦しむ」と語った。

米倉涼子は好きだが、この米倉会長のおつむは理解しかねる。あれほど民主党に肩入れし、民主支持を打ち出しながら、脱原発で手のひらを返したのは、所詮自分に見る目が無かっただけのこと。中国の本質も見抜く力がないくせに、国家自体を危険にさらして金儲けが国の安全より大切というのは、金さえ有れば国は要らないと言う”勝ち組”を自称する浅学無知に通ずる。

【社説】日本の知識人は政府の右傾化を阻止できるか

 しかし、日本のごく少数の知識人が出した1枚の声明だけで、日本の右傾化そのものを変えられると信じてはならない。次の選挙で政権獲得が確実視されている自民党は、極右の安倍晋三元首相を再び総裁に選出し、また安倍総裁は同党ナンバー2の幹事長に石破茂・元防衛相を任命した。安倍氏は総裁に就任する前、日本の歴代政権が出した謝罪表明の談話の修正を訴えて支持者を結集。また、石破幹事長もかねてから海兵隊の創設を主張してきた人物だ。最近の日本の世論は、自民党が民主党の2倍近い37%の支持を得るなど、極端な偏りを見せ始めている。

自民党が支持率をのばしたのは、国民がそう望んだからだ。政府の命令で国民が右を向いたり左を向いたり略奪や傷害を起こす奴隷国家ならこのようなことはない。また、骨の髄まで日本に対する劣等感が染みついている朝鮮では、親日が脊髄反射で拒否される。つまり、政府が国民をそのように洗脳したのだ。特亜に共通するのは、感情レベルで国民が洗脳されている点だ。このような国とのまともな論争など出来ない。日本は右から左まで様々な主張が飛び交い、現実に日中友好協会や、日本を攻撃する知識人も存在できる。そのような社会で国民が自由に思想を持ちその数字が政府を動かしたのだ。

自民が右傾化したのではない。国民が望むべき国のあり方を自民に託した結果なのであり特亜の浅はかな推察など遠く及ぶものではない。

 日本は戦前、国外の雰囲気を理解する一部知識人の反対にも関わらず、日中戦争から世界大戦へと突き進み、国と国民を悲劇に追い込んだ。同じように今回も一部知識人が「反省」を表明したが、これによって今後、日本が目覚めることができるか、見守らなければならない。

その知識人がどれだけ日本人の意識を代表しているのか。彼らがどのような馬鹿なことを主張しようと、日本は日本人が考える方向に動いてゆく。独裁国家や洗脳国家には到底理解が出来ないことだろう。

村上春樹氏「日本の政治家、ヒトラーの結末を見よ」

東アジア地域における最も喜ばしい達成のひとつは、そこに固有の「文化圏」が形成されてきたことだ。私の経験に基づいて言えば、「ここに来るまでの道のりは長かった」ということになる。以前の状況はそれほど劣悪だった。どれくらいひどかったか、ここでは具体的事実には触れないが、最近では環境は著しく改善された。いま「東アジア文化圏」は豊かな、安定したマーケットとして着実に成熟を遂げつつある。音楽や文学や映画やテレビ番組が、基本的には自由に等価に交換され、多くの数の人々に楽しまれている。これはまことに素晴らしい成果というべきだ。

村上氏の評価は別として、彼が本当にこのように考えているならそれはとんでもない間違いだ。中国の昔にはそれなりの文化があったろう。が、すべて彼らはそれを破壊してしまった。今の中国に、世界に発信できるどんな文化があるだろうか。

すべて西欧の文化を彼らが起用にこなして、たとえばヨーヨーマのようなアーティストは出るかもしれないが、彼が中国人で中国の音楽を世界に広めたわけではない。

韓国も同じだ。文化のすべてが日本のパクリで成り立っている。

東アジアにどのような文化があるのか。むしろ南アジアに独特の文化がある。が、東アジアの世界に発信している文化といえばほとんどが日本文化だ。中国文化、韓国文化で独自の物がどのように発展しているのか、村上氏は答えられるのだろうか。要するに中国や韓国で村上氏の小説が読まれるようになったのはうれしい、というだけの言葉に聞こえるのだが。まあ、それは良いとして

今回の尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題や、あるいは竹島(独島の日本名)問題が、そのような地道な達成を大きく破壊してしまうことを、一人のアジアの作家として、また一人の日本人として、僕は恐れる。国境線というものが存在する以上、残念ながら領土問題は避けて通れないイシューである。しかしそれは実務的に解決可能な案件であるはずだし、また実務的に解決可能な案件でなくてはならないと考えている。領土問題が実務課題であることを超えて、「国民感情」の領域に踏み込んでくると、それは出口のない、危険な状況を出現させることになる。

韓国メディアの記事だから、その文化を破壊したのがすべて日本であるかのように印象づけたいのだろうが、村上氏はそんなことは言っていない。彼は文学者としての才能はあるのかもしれないが(とんと分からないので評価はさておき)少なくとも歴史や地政学にはひどく無知なようだ。「国境線というものが存在する以上、残念ながら領土問題は避けて通れないイシューである。しかしそれは実務的に解決可能な案件であるはずだし、また実務的に解決可能な案件でなくてはならないと考えている。」とのことだが、現実は村上氏がそう考えても事実はそうではない。そうなるためには双方に理性と知性が必要だが、特亜には両方ともに欠けている。領土問題が実務的に解決可能な案件ならほとんどの戦争は起きなかったはずだ。

1930年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によって失われた領土の回復を一貫してその政策の根幹に置いたからだった。それがどのような結果をもたらしたか、我々は知っている。政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽るだけですむが、実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。

ヒトラーの時代と今は違う。だから、世界から大規模な戦争が無くなった。ただ、ヒトラーの時代、いや、その前の時代さながらの外交を続ける国が、問題を起こしているのだ。

村上氏は、結局領土問題をこじらせるのは双方に責任がある、すなわち喧嘩両成敗を言いたいのかもしれないが、これが最も不公平で不毛な結論であることくらい、世界的文学者なら理解して欲しいものだ。

何も権利を持たない者が言いがかりをつけることで権利を得ることを許せば、ルールなど意味を為さない。それこそ、すべてが力によって決まるだけのことだ。

村上氏がこれほど無知な知識人だとは思わなかった。彼の文学が嘘くさいと感じていたのは、あながち私の読解力不足だけが理由ではなかったと思う。

上記に引用されているURLの記事を読む場合は下記の「続きを読む」をクリックしてくだ、内容確認以外なら、敢えて読む必要はありません
以下は参照用の資料ですので、確認をされる以外はあえて読む必要はありません。

日本の知識人や市民団体、独島・尖閣問題めぐり反省求める

1270人が署名しアピール文を発表、村上春樹氏も日本の政治家らを批判
経団連会長「野田首相はもっと柔軟な姿勢を」

 独島(日本名:竹島)や尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる韓国・中国との対立は、日本の過去の侵略や(尖閣諸島の)国有化のような挑発と関係があるとして、日本の知識人や市民団体が反省を求める動きを見せている。経済界は日本政府に対し、周辺諸国との対立を早期に解決するよう求めた。

 「許すな!憲法改悪・市民連絡会」などの市民団体は28日午後、国会で1270人の署名を添えたアピール文を発表した。同文にはノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏や、本島等・元長崎市長などが署名し「日本は韓国や中国が最も弱く、外交的な主張ができなかった時代に、竹島や尖閣諸島を編入した。日本人は竹島が、韓国国民にとっては侵略や植民地支配の始まりであり象徴だと考えられていることを理解すべきだ」と語った。

 また、尖閣諸島をめぐる日中両国の対立については「国交正常化40周年という節目に友好を紛争に転じた原因は、石原慎太郎・東京都知事の尖閣購入宣言と、それを契機とした日本政府の国有化方針にある。中国にとってはこれが『領土問題の棚上げ』という暗黙の合意に違反した、いわば『挑発』だと映っても不思議ではない」と指摘した。

 一方、日本の経済界を代表する日本経済団体連合会(経団連)の米倉弘昌会長は28日、NHKとのインタビューで「野田佳彦首相は日中間の領土をめぐる対立に際し、もっと柔軟な姿勢を見せるべきだ」と批判した。米倉会長は「野田首相が『尖閣諸島には領有権問題が存在しない』と発言していることは理解に苦しむ」と語った。

 日本の有名な小説家・村上春樹氏(写真)も28日、朝日新聞に寄稿した文章で「尖閣諸島をめぐる紛争が過熱化し、中国の多くの書店で日本の作家の本が姿を消したという報道に接し、衝撃を受けた。領土問題が国境を越えた心の交流まで閉ざしてはならない」と主張した。その上で村上氏は、領土問題と国民感情が絡み合った現在の状況を「安い酒に酔った状態」に例え「人々は声を上げながら、単純な論理を繰り返しているが、一晩たつと残るものは頭痛だけだ」として、一部の政治家たちによる領土に関する言動を批判した。

李漢洙(イ・ハンス)記者

【社説】日本の知識人は政府の右傾化を阻止できるか

 ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏や、平和憲法改正反対の主張を展開してきた本島等・元長崎市長ら日本の知識人や市民1270人と、市民団体「許すな!憲法改悪・市民連絡会」は28日、独島(日本名:竹島)と尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権争いについて政府に「反省」を求める声明を発表した。声明で彼らは「日本は韓国や中国が最も弱く、外交的な主張ができなかった時代に、竹島や尖閣諸島を編入した。日本人は竹島が、韓国国民にとっては侵略や植民地支配の始まりであり象徴だと考えられていることを理解すべきだ」と訴えた。


 日本の主張によると、尖閣諸島は1895年の日清戦争の際、無主の地を沖縄県に編入したもので、独島は1905年の日露戦争の際、島根県に編入して領有権を確立したという。これらの主張は、日本が帝国主義時代に武力を用いて韓国と中国の領土を強制的に占拠したことを自ら示したに過ぎない。日本国内では少数派だが、上記の知識人たちは「(日本が主張する)竹島領有権の内容は、日本による侵略の歴史を否定するだけでなく、国際秩序を破壊する行為だ」と訴えており、これは韓国の主張とも一致している。


 しかし、日本のごく少数の知識人が出した1枚の声明だけで、日本の右傾化そのものを変えられると信じてはならない。次の選挙で政権獲得が確実視されている自民党は、極右の安倍晋三元首相を再び総裁に選出し、また安倍総裁は同党ナンバー2の幹事長に石破茂・元防衛相を任命した。安倍氏は総裁に就任する前、日本の歴代政権が出した謝罪表明の談話の修正を訴えて支持者を結集。また、石破幹事長もかねてから海兵隊の創設を主張してきた人物だ。最近の日本の世論は、自民党が民主党の2倍近い37%の支持を得るなど、極端な偏りを見せ始めている。


 日本は教科書や外交白書、防衛白書を通じて独島領有権を主張してきただけでなく、慰安婦や強制徴用といった厳然たる事実を否定し、韓国を刺激してきた。日本はまた、尖閣諸島を国有化することで、中国との領有権争で現状の打破に乗り出し、東アジアの安全保障秩序を破壊しようとしている。現在、韓中日3カ国の対立を緩和するには、摩擦の原因を提供した日本がまず変わらなければならない。これは誰が見ても明らかだ。


 日本は戦前、国外の雰囲気を理解する一部知識人の反対にも関わらず、日中戦争から世界大戦へと突き進み、国と国民を悲劇に追い込んだ。同じように今回も一部知識人が「反省」を表明したが、これによって今後、日本が目覚めることができるか、見守らなければならない。

村上春樹氏「日本の政治家、ヒトラーの結末を見よ」

2012年09月29日10時00分

中央日報/中央日報日本語版] comment 10hatena0 『ノルウェイの森』、『海辺のカフカ』 『1Q84』などで有名な日本の世界的作家、村上春樹氏(63)が28日、領有権をめぐるアジア国家間の葛藤を懸念するエッセーを朝日新聞に載せた。村上氏のエッセーはアジア全体に伝えるメッセージだ。しかしエッセーの内容は、最近の領土問題で急速に右傾化している日本国内に向けたものだ。以下はエッセーの要約。

東アジア地域における最も喜ばしい達成のひとつは、そこに固有の「文化圏」が形成されてきたことだ。私の経験に基づいて言えば、「ここに来るまでの道のりは長かった」ということになる。以前の状況はそれほど劣悪だった。どれくらいひどかったか、ここでは具体的事実には触れないが、最近では環境は著しく改善された。いま「東アジア文化圏」は豊かな、安定したマーケットとして着実に成熟を遂げつつある。音楽や文学や映画やテレビ番組が、基本的には自由に等価に交換され、多くの数の人々に楽しまれている。これはまことに素晴らしい成果というべきだ。

たとえば韓国のテレビドラマがヒットし、日本人は韓国の文化に対して以前よりずっと親しみを抱くようになった。韓国語を学習する人の数も急激に増えた。それと交換的にというか、たとえば僕がアメリカの大学にいるときには、多くの韓国人・中国人留学生がオフィスを訪れてくれたものだ。彼らは驚くほど熱心に僕の本を読んでくれて、我々の間には多くの語り合うべきことがあった。このような好ましい状況を出現させるために、長い歳月にわたり多くの人々が心血を注いできた。

今回の尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題や、あるいは竹島(独島の日本名)問題が、そのような地道な達成を大きく破壊してしまうことを、一人のアジアの作家として、また一人の日本人として、僕は恐れる。国境線というものが存在する以上、残念ながら領土問題は避けて通れないイシューである。しかしそれは実務的に解決可能な案件であるはずだし、また実務的に解決可能な案件でなくてはならないと考えている。領土問題が実務課題であることを超えて、「国民感情」の領域に踏み込んでくると、それは出口のない、危険な状況を出現させることになる。

それは安酒の酔いに似ている。安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人々の声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。しかし賑やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ。そのような安酒を気前よく振る舞い、騒ぎを煽るタイプの政治家や論客に対して、我々は注意深くならなくてはならない。

1930年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によって失われた領土の回復を一貫してその政策の根幹に置いたからだった。それがどのような結果をもたらしたか、我々は知っている。政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽るだけですむが、実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。

◇村上春樹=毎年ノーベル文学賞候補に挙がっている日本の小説家。1949年に日本・京都で生まれ、早稲田大学を卒業した。1979年のデビュー作『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞し、『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』など多数のベストセラーを出している。
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