スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

中国の科学技術2

 先日、中国の科学技術、と題するエントリーで、結局中国は科学技術で世界の先頭には立てず、何時までも二流三流だと書いた。書いたとたんに、次のような記事が報じられた。
 
 《》内は引用。
 
 --------------------------------------------------------

中国のスパコン「世界最速」に 演算、米の記録更新


2010年10月29日20時31分

 【広州=小林哲】中国国防科学技術大が開発したスーパーコンピューター「天河1号」が、演算速度で世界最速とされる毎秒2507兆回に達した。米オークリッジ国立研究所の「ジャガー」がもつ最速記録(今年6月)の毎秒1759兆回を上回り約1.4倍になった。11月に更新される世界ランキングで正式に認められれば、中国製スパコンが初めて世界一になる。

 中国計算機学会などの専門家チームが28日に発表した。新華社電によると、天河1号には国防科技大が独自開発した高性能の中央演算処理装置(CPU)が組み込まれ、理論上はジャガーの約2倍の最大速度になるという。

 米国などの専門家が世界のスパコンの性能を調べて年2回公表している世界ランキング「TOP500」では、今年6月の時点で米ジャガーが1位。中国製は中国科学院などの「星雲」が1271兆回で2位だった。

 米ニューヨーク・タイムズ電子版は同日、11月上旬に公表される最新順位で天河1号が1位になるという米研究者の見方を紹介。「中国製スパコンが米国からタイトルを奪う」との記事を掲載した。米国は2002年に日本に1位の座を奪われたが、04年にかえり咲き、以来1位の座を守ってきた。

 天河1号の開発は約6億元(約73億円)が投入されたという。資源探査や医薬品、新材料の開発など産業に直結する分野で活用される見通し。

 今年6月時点で500位以内に入った中国のスパコンは24台。米、英、仏に続きドイツと並ぶ台数だ。日本は中国に次ぐ18台で最高位も22位。

 日本では次世代スパコンが12年の完成をめどに神戸市で建設中で、天河1号の約4倍となる毎秒1京回(1兆の1万倍回)の演算速度を目標にしている。昨年末の事業仕分けで「2位じゃだめなんでしょうか」と指摘され話題となった
 
 まず、この記事が事実かどうかは、事中国に関する以上常に考えておかなければならない。このスパコンの性能についても、どのような条件でテストをしたのか、第一、この数字が本当なのかは、例によって平気で嘘をつく中国のこと、そのまま受け取るのは難しい。
 
 その上で、この天河スパコンの計算スピードが報告通りだったとしよう。だとすれば、素直にたいした物だと言っておくべきだろう。かつて、日本のスパコン「地球シミュレーター」が、それまでアメリカの独壇場であったスパコンの世界で世界最高速をたたき出し、アメリカがそれに本当に驚いてスパコンに本腰で力を入れ、すぐに世界一のスパコンを作り出した。それ以来、スパコンの最高速機種はアメリカ製が続いていたので、もし今回中国がそれを抜いたとすれば日本もそうだが、アメリカも心中穏やかではいられないだろう。ただ、建設中の機種を考えると、すぐにアメリカが抜き返すと思われる。
 
 また、日本では、つい最近スパコンの「京(けい)」が出荷を始め、十二年には完成する予定で、その計算速度目標は、中国スパコンの四倍程度とされている。ただし、それ以前にアメリカのBlue Water が稼働を始め京の予定速度をその時点で抜いている。
 
 つまり、スパコンは力業であり、とにかく有る程度の技術が有れば、後は金をかけると早い物が出来ると考えて良いが、問題はスパコンを何に使うかだ。単に円周率の計算だけで速度を競っても、あまり意味はない。その意味で、日本の「地球シミュレーター」は今では世界でも早い部類には入らないが、それでも地球全体の気候を細かく計算する仕事をしている。どうも負け惜しみに聞こえるが、早いと言ってもそれにかかった費用や保守費用を考えて、費用対効果(コストパフォーマンス)で本当のスパコンの性能を比べるべきではないのか。
 
 最近は、グリッドコンピューティング手法が発達してきており、すなわちネットでつなげた数多くのパソコンに一部ずつ計算をさせそれを集合して大きな結果を出す訳だが、これは天文分野などでは普通に行われ、大きな成果を上げている。すなわち世界中のアマチュア天文かがネットを通じて一つの作業をやっているわけだ。
 
 スピードではないが、日本のアマチュアが自分で組み立てた特別なコンピューター、といってもパソコンを使って、円周率の桁で世界記録を立てている。
 
 また、09年には長崎大で、市販のCPUを760個並べ並列処理をさせて、スパコン並みの性能を引き出し、価格はおそらく100分の一くらいの3800万円で挙げた。
 
 先述したように、スパコンは力業のような所があり、コストパフォーマンスを無視すれば高速の物が出来る。しかし、実際には、かつてスパコン製造を競っていた日本の大手メーカーが撤退しているのも、技術力の誇示目的のスパコン事業は採算に合わないとの判断があるからだ。それは日本の自動車メーカーが今はF1などにあまり乗り気ではなく撤退しているような物だろう。もうF1で勝つことより、会社の技術力が十分に世界で知られているのだからあえてザルに水を入れるような金の使い方をするべきではないとの判断だ。
 
 日本にはそのようなところがあり、十分に力を蓄えたと自覚すると、競争から撤退する。宇宙開発でも中国やアメリカはよく似ていて、国威発揚のために有人飛行などをしているが、日本の場合別に急いでやるべきではなく、彼らが手をつけない遠距離天体探査とか、スタンドアロン探査機、イオンロケット、太陽光ヨットなどで、専門家がため息をつくような成果を上げている。
 
 結局、科学技術は人間の役に立つかどうかだ。たとえば、世界の先端技術100の内、アメリカが半分以上を占め、次に日本が来て、後はヨーロッパが続きいわばドングリ背比べ状態になっている。
 
 ところが、アメリカの先端技術の大半は軍事技術であり、民生品としてそのまま転用出来る物はあまり多くはない。そうなると、人間の生活を豊かにする民生技術では、日本が事実上世界最先端といえる。ただし、この評価は定義が曖昧なので、数字として断定出来る物ではない。
 
 そうなると、依然中国の最先端技術とは、民生品とは無縁の、国威発揚分野ばかりに思える。ただし、いくらパクリとは言え、軍事技術面では確かに近年長足の進化を遂げ、たとえば戦闘艦でもこの数年で著しく性能を上げていることは、それを目の当たりにした米軍の専門家などがはっきりと脅威だと言っている。
 
 いわばパソコンのその分野であり、中国の軍事技術の進展を見くびるわけには行かないだろう。いくら元がパクリでも、中国の核兵器、ミサイル、原潜などは日本にとって脅威だし、おそらく日本の技術を凌駕しているだろう。
 
 軍事技術は確かに人間の生活に直接は役立たない。しかし、国民の声明財産を守るためにはやはり有る程度のレベルを維持しておかなくてはならない。その意味では、中国の選択は正しい。つまり、他国を押しのけ力を示すためには、と言うことであって、それが正しいと言うのとは違う。
 
 
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。