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日中もし戦わば

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高雄爺「時間の経つのは本当に早いねぇ。ついこの前正月だと思っていたら、もう五月だよ」
留瀬「でも、まだ今年も半年以上ありますよ」
高「おやおや、いつもの事だが、楽観的に物を考えるのは、おまいさんの長所の一つだろうよ。しかし、全てが楽観的とは言えない」
留「おや、何か気がかりな事があるんですか」
高「具体的にその懸念が急に高まったというわけじゃないんだが、日本が中国と戦争をしたらどうなるかなって、考えてみた」
留「あ、それは大変だ。そんな兆候があるんですか」
高「いや、今急にそうなった訳じゃないが、中国が日本にとって脅威である事はおまいさんも知ってるだろう?」
留「知ってますよ。ブログ主なんか、散々そんな事を言ってますから」
高「ああ、あの男は何事につけても大げさだしね、それほど差し迫っているとは思わないよ」
留「差し迫ってはいないとしてもその可能性があると言う事ですか」
高「そりゃ、絶対に戦争にならないなんて事は言いきれない。実際、世界中で戦争が絶えた事なんか無いしね。世の中には、憲法で戦争を禁じているから戦争なんか無い、とか日本が武力を持たなければ戦争にならないとか、話し合いで戦争を止めればいいとか、まあ馬鹿みたいな、というより本当の馬鹿なんだろうが、そんな戯言をいい年をして言う奴が結構居るんだよ」
留「そりゃどうも、糞味噌ですね」
高「だって、どう考えてもそんな事を言う連中、まともに物を考えていないというか、物を考える能力がない、はっきり言って思考力のない馬鹿者と言う事になるじゃないか」
留「そりゃそうです。ブログ主も言ってますよ、ああいう連中は本当に自分で者を考えていないのに、誰かから吹き込まれた事を自分で考えた結果だと思い込んでいる。」
高「まあ、言いたい気持ちは分かるね。」
留「ブログ主、あれで本心では日本と中国が戦争になればいいとでも考えているんじゃないですかね、どうも日頃から中国が何をするか分からないから、日本はそれに備えておかなくちゃならないって繰り返し繰り返し言ってますよ。でも、実際、戦争になる可能性って、ほとんど無いんでしょ?中国だって今日本と戦争をしても打撃が大きすぎるし、アメリカが黙っちゃいないし」
高「今日は帰んなさい。当分来ないで良いよ。手に持っている煎餅は戻しなさい。あ、慌ててかじったな」
留「あれ、あたし、何か気に障る事言いました?」
高「おまいさん、ブログ主を馬鹿にするんじゃないよ。あの男はきちんと理解した上で言ってるんだ。あたしが教えたからね」
留「じゃあ、ブログ主が言うように、戦争になる可能性もあると言うことですか」
高「おまいさん、生命保険をかけているだろう。傷病保険付きだ」
留「そりゃ、あたしに何かあったら女房が大変だし、重い病気にでもなれば大変な金がかかるしあたしが働けなくなるかも知れないし」
高「で、重い病気にでもかかるつもりなのかい。それとも事故か何かで死んでしまうとか」
留「やだなぁ、そんな予定を立てている人なんか居ないでしょ。でも、何が起きるか分からないのが人生だし、別にあたしの意志で決まる事じゃないですからね」
高「そうだ。戦争も同じ、必ずしも誰かの意志で始まるわけではないし、誰かの意志の通りに推移する訳じゃない。だから、不測の事態に備え、国も保険をかけなければならない。それが国防だよ。絶対に戦争にならないなら、自衛隊も要らないし日米安保も要らないし、憲法9条も別に変える必要なんか無い」
留「まあね、ブログ主も軍備とは使わないために持つのだ、って訳の分からない事を言ってます」
高「おや、おまいさんは軍備を持ったからには戦争をしなくちゃ無駄になるとでも言うのかな。まるで日本の腐れド左翼みたいな言い方じゃないか」
留「いや、そんな事言ってませんよ。でも使わないなら持つ必要なんか無いじゃないかと言うのも尤もだと思いましてね」
高「だめだ、こりゃ。たった今保険の話をしたばかりじゃないか。おまいさんが保険に入っているのは、せっかくかけた保険だから死なないで無駄にするのはもったいない。だからさっさと死んだ方がいいと言う理屈だ。受取人をあたしにするんならそれで構わないよ」
留「参ったなぁ。受取人は女房ですよ」
高「そんな事は言ってない。軍事力とは使わない事を前提に持つ物だという話だよ」
留「でも絶対に使わない軍事力なら、持っていてもしょうがないじゃないですか。金の無駄ですよ」
高「警察官が拳銃を持っている。あれは誰かを撃つためかい。交番勤務が退屈だから今日は一丁交番の前を通る人を撃ってみて誰が一番上手いか競争するとか」
留「馬鹿言わないでください。アメリカの警官ならともかく、日本の警察官は市民を守るために働いている。で、犯罪者の中には本当に凶悪な奴が居て、刃物や時にピストルで抵抗する奴が居る。そんな奴を取り押さえるには、警察官だってピストル持たなくちゃならないでしょう」
高「そうだよ。で、日本の隣には、大量の殺戮兵器を持っていて折に触れて日本を恫喝する国があるじゃないか。中国、ロシア、北朝鮮。北朝鮮なんか、日本をミサイルで攻撃して火の海にしてやるなんて言ってるし、中国も同じ様な事を何度も言っている」
留「ああ、そいいやぁ、そんな事もありましたね」
高「なんか、人ごとだなぁ。あたしも好きだった美人女優で吉永某というのが居て、武器を持たなければ戦争にならないと言っていた。それが積極的平和主義だってさ。まあ、共産党の看板だな」
留「あの某小百合とかいう女優ですね。日本に戦争をする気がなくても、戦争は一ヶ国で出来る訳じゃない、相手が戦争を仕掛けてきたら国民の生命財産を守るのは国家のやくめだから、その手段を持っているのが国家として当たり前の事だって、そうそう、思い出した、ブログ主が言ってましたよ」
高「もっと言ってたろう」
留「そうですね。これも思い出した。平成22年12月18日の”軍事力を考える”の中で

”もちろん、これがとんでもないおとぎ話というか、傘を捨ててしまえば雨が降らない式の理屈だ。警察を廃止すれば犯罪が無くなり、消防を廃止すれば火事が起きなくなり、医師を居なくしてしまえば病気もなくなる理屈だ。ついでに葬儀屋も禁止してしまえば、誰も死ななくなる。”

って、言ってました」
高「うん、その通りだ・・・って、ほんとかい。良くまあ覚えていたなぁ」
留「あ、ついでに思い出しましたよ。軍事力はあくまで外交の一手段であり、いざとなれば力尽くでも言う事を聞かせてやるという意思表示であり、もし攻撃してくるなら倍返しをしてやる。だから大人しく協議に応じた方がよい、という事ともブログ主は言ってましたね」
高「その通りだよ。さすが、あの男は私が教えた事を良く理解している」
留「で、それが軍事力は使わない事を前提にして持つということとどんな関係が・・・」
高「吉永某小百合を笑えないね。もう2,3ヶ月前だが、一寸したパーティーに出たんだ。そこであった人達は、あたしは初対面だったが彼らの内何人かは知り合い同士だったようだ。話をしている内にその中のご婦人が、戦争は話し合いで防げばよい、と言い出した」
留「ああ、なるほど。予想が付きますよ。で?」
高「で、あたしは訊いてみた。今まで戦争が絶えないのはどうしてなんでしょうか。誰も話し合いをしなかったんでしょうかってね」
留「そしたら?」
高「話し合いが足りなかった、と言うんだ、そのご婦人」
留「おやおや、馬鹿だなぁ。話し合いって、話が通じる相手としかできない事は結婚してからよく分かりましたがね、そのご婦人、亭主の話なんか聞かないんでしょうね」
高「そうだろうよ、だから亭主が文句を言わないのは話し合いで納得したからだと思い込んでいるんだろう。・・あれ?今家内の咳払いが聞こえなかったかい?」
留「気のせいです。・・・きっと」
高「先の戦争では日本が戦争を避ける手段はあった、アメリカは何度も戦争を避ける選択肢を日本に示した、と書いている本がある。」
留「それ、本当なんですか。選択肢があったのに日本は戦争に突き進んだって事ですよね」
高「選択肢があったのは別に秘密でも何でもない。アメリカは、戦争をするかアメリカの奴隷になるかと選択肢を示したんだ。実際、当時はアメリカに於ける人種差別、とくに有色人種に対する差別意識は当たり前で、日本が列強に入るなど認められるはずがなかったし、それに先立つ少し前だが国際連盟で日本が有色人種差別法の撤廃を訴え、英国などは賛成したがアメリカのウィルソン大統領がそれを拒否した。奴隷制度は無くなっていたが、現実に黒人差別はすさまじい物があり公民権法が成立するのは戦後20年も経ってからだ」
留「なるほど、それは酷い。まあ、知ってはいたけれど、確かに戦うか奴隷になるかとの選択肢なら戦うしかない」
高「じっさい、欧米はアジアアフリカに多くの植民地を持っていたからね。日本も本来彼らの植民地であるべきだと連中がごく当たり前に考えていたのは事実だろうよ。結局あの戦争は人種差別が原因だった。ナチスのユダヤ人迫害もそうだろうし、アーリア人優先思想もそうだろう。ナチスのユダヤ人迫害は事実だが、それはフランスでもイギリスでも当時は当たり前だった。シェークスピアのベニスの商人など、ユダヤ人に対する認識として当たり前に受け止められていて、最近になってやっとあれは不当な差別の芝居だと言われるようになっている。モンテスキューは・・・」
留「ええと、モンテスキューって、確か三権分立を唱えて近代国家の在り方を最初に提唱した人ですね」
高「うん。今の三権分立は、モンテスキューの法の精神という本に書かれている。が、その本の中で、モンテスキューは、黒人に魂がある事を認めるのは、私たちがキリスト教徒ではないと認める事だ、てな事を書いているね」
留「そりゃ酷い」
高「でも、それがキリスト教徒の実際にやった事を見れば彼らにとって当たり前の事なんだ。神の名においてキリスト教徒はアフリカ人を奴隷にしたし、アジアアフリカ、中南米を侵略し植民地にし、スペインポルトガルなどは、インカやアステカ文明を滅ぼし現地の人間を大量虐殺した。法王の祝福を受けて行った行為だ。ローマ法王がそれを認めて謝罪したと聞いた事があるかい?バチカンがナチスを支援していた事は、法王は絶対に口にしないが、否定できない事実だよ」
留「なるほど、それもブログ主が怒っていたなぁ」
高「で、アメリカは疑いもなく宗教国家だ。キリスト教が国政に大きな影響を与えているし、キリスト教の支持がなければ大統領にはなれない。紙幣に In God We trust と印刷し、大統領の演説の締めくくりがゴッドブレスアメリカだ。こんなアメリカが、今トランプ政権になって人種差別が急増しているが、本質は全く植民地時代と変わらないからだ。そんなアメリカが76年前日本に突き付けた選択肢が、戦争か奴隷かだったわけだ」
留「ブログ主が言ってましたよ。アメリカとの融和も協調も大切だろうし、同盟関係も信じていいだろうが、アメリカ自体は絶対に信じてはならないってね。それはアメリカ人だからだって。個々のアメリカ人を信ずるのは個々の日本人の判断だが、国家としてアメリカという国家は日本とは別の価値観で存在することを忘れてはならないって言ってましたよ」
高「そりゃ、聞きようによってはかなり過激だね。でも、今のアメリカを見ていると、真実味がある。アメリカが日本と同盟を組んでいるのはあくまでアメリカの今の国益に適うからだ。日本の国益は日本が考えなくてはならない。当たり前の事であって、アメリカが考えてくれるわけではないからね。その意味で、まるでアメリカが自国民を犠牲にしても日本を護ってくれるみたいなことをいう愚か者が結構居るんだよ」
留「あれ、それは本質的な事ですね」
高「うん。本質的な問題に入ろう。ここから本題だ」
留「今までのは前振りですか」
高「そりゃそうだよ。今回のタイトルは、”日中もし戦かわば”だよ」
留「なるほど。あ、女房からメールだ。いけね、待ち合わせをしていたんだっけ」
高「おやおや、遅れたのかい」
留「いや、今から行けば間に合います。駅ビルですから。忘れるなという確認メールです」
高「じゃあ、直ぐお行き。続きはまたにしよう。約束を守らないと何事も信用されなくなるのは国際関係も同じだ。約束を破る奴は殴るしかない」
留「いや、行ってきます。また来ますよ」

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北朝鮮ミサイル

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2017年3月6日、北朝鮮が4発のミサイルを発射し、その内の3発が日本のEEZ内に着水したという。今回のミサイルは恐らく射程千㎞程度のもので、それを4発同時に車上発射装置から発射したとの事だ。そして、今回特異なのは、このミサイル発射を正式に認め、さらに在日米軍基地を攻撃する能力を示した物だとの発表をした事だ。

確かにトランプ政権になり、北朝鮮に対する姿勢はそれまでのチキンオバマとは違い、かなり激しい物になりそうなのははっきりしているし、またキムジョンオンの兄、キムジョンナムをマレーシアで暗殺した事などもさらに国際社会の怒りを買っている。この事件を受けて、今米国は韓国と共に大規模な軍事演習を展開しており、ネット上などではすでにキムジョンオン排除のために米国特殊部隊がいつでもキムジョンオン殺害の命令を待っている状況だとさえ言われている。これが本当かどうかは知らないが、安倍総理が緊急でトランプ氏と電話協議をしたのは事実であり、日米とも看過できないことを今更ながら内外に示している。チキンオバマと違い、実績の欲しいトランプ政権としては、そして日本の安全保障に力を入れている安倍政権としては、このまま北朝鮮の挑発を見逃すとは考えにくい。

北朝鮮がミサイル開発、核開発に力を注ぐのは、現実に米国を核攻撃できる能力を持つ事で米国を対話のテーブルに引き出し、北朝鮮を認めさせ様々な制裁を止めさせ今の独裁体制の存続を認めさせるためと言われている。

しかし、不思議なのは、北朝鮮が独裁国家なのは今に始まった事ではなく、戦後ソビエトに占領された時期も含め古代から独裁体制のままであり、そしてそのような独裁国家は世界中にある。また独裁者が世襲である国もたくさんある。それらを、内心はどう思っていようとせかいも米国も認めているのであり、日本も認めている。何も今のような米国や世界に牙をむくような真似をしなくとも存在できたはずであり、承認も受けられたろうし、経済制裁も無かったろう。そうすれば、今のように経済的な困窮もなく人民に対しても今のような圧政を敷く必要もなかったのではないか。

北朝鮮がなぜ今のように世界の公敵になったかと言えばあくまで軍拡に走り人民を虐げ、世界の脅威と見なされているからだ。

結局今の状態、即ち狂ったように軍拡に走り残酷な独裁体制を執らなくとも国の存続は出来たし独裁政権も存続できたはずなのに、今では一瞬たりとも核による恫喝を止めれば国の存続事態が危うくなるために、国際社会の中で孤立を深めれば深めるほど軍拡に走り他国を恫喝するしかなくなっている。

今更ながら、核開発は止めた、国際ルールに従うと言っても同じ事をしたリビアのカダフィが(とはいえ、キム一族のような圧政とは違うようだが)、或いはサダム・フセインがどうなったかを目の当たりにしては、今更そうはいかず、結局突っ走るしかないのだろう。

その意味で、北朝鮮を追いつめる事でキムジョンオンが暴発する可能性はかなり大きいとも言える。なにしろ、北朝鮮には米国を直接攻撃できる核ミサイルは恐らく無いと言われているが、持っているかも知れないし、そして潜水艦発射ミサイル実験にも成功しており、その探知は日米とも出来なかったのだ。つぶされるくらいならと、北朝鮮が米国に核を打ち込む可能性がないとは断言できず、そしておそらく日本全土をカバーするミサイルを数百発持っている事実から、その中に核ミサイルを入れて置けば、おそらく日本を核攻撃する事は可能だろう。出来るかも知れないのではなく、確実にその技術を持っていると言える。そして、日本の有するミサイル防衛システムは、そのような無数のミサイルを全て探知し全て迎撃する事は出来ない。

となれば、北朝鮮が日本を人質に取る事は十分にあり得る。

北朝鮮も仮に核を使えばその瞬間に大規模な反撃でつぶされると考えてはいるだろうが、自分達だけの存続を考えているキムにしてみれば、いずれ自分が助からないなら世界を道連れにと考えるかも知れない。追いつめられるとはそう言う事なのだ。

今日辺りもNHKに寄せられた視聴者からのコメントにミサイルに対してミサイルという悪循環を止めて、話し合いで解決すべきだとの寝言を言っている御仁が居るし、そしてアナウンサーはその手のコメントしか読まない。

決断を遅らせれば遅らせるほどリスクは高まる。それは歴史が何度も示している。チェンバレンがナチスと妥協した結果がどうなったかをオバマは繰り返して見せた。

世界には話し合いが通用しない相手は無数におり、理性を欠き、暴力だけが解決策だと信じている独裁者も無数にいる。

北朝鮮が突っ走ればいずれ自滅するとか、世界が許さないなどは、あくまで願望であり、世界には自分達とは違う価値観で生きている者達が居るのだと本当に理解しなければならないのだが。ISひとつ見ても、彼らと話し合いで問題が解決できると本当に思い込んでいる者達がこの日本には多すぎる。彼らこそが一番日本を危険にさらしているのだ。

米中戦争の可能性

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最近、ネット上に結構物騒な記事が散見されるようになった。たとえば、

「米中戦争の可能性は非常に高い」トランプ氏側近が驚愕見解

これなども週刊誌記事の一つだし、他の似たような話も別に一次資料と言える物ではないから、そのつもりで読まなくてはならない。が、それはそれとして、米中戦争が全く有りえないと言うわけでもないので、それはどのような経過でそうなるのか、日本にはどのような影響があるのかは、一つのテーマになるだろう。

折からアメリカのマティス国防長官が来日している。そして、両国で確認したのは、日本を必ずアメリカは護る、核の傘も有効であり、尖閣もその防衛範囲に入っているという物だった。

ただし、それは従来からアメリカが言ってきた事であり、日米安保があってもいざとなったらアメリカは日本を護らないなどと言うわけがない。最終的にアメリカが選ぶのは当然自国民の生命財産の安全なのだから。日本のために自国民を犠牲にするなど有りえないことは何度も書いている。

トランプが選挙中から言っていた、米軍の日本駐留費などアメリカによる日本防衛コストを全部払えという話が具体的にこの場で出たとは聞いていないが、恐らく出るとすれば2月10日に予定されている安倍総理ートランプ会談の場だろう。ただし、マティス長官は、日本のコスト負担は他国の参考になると評価したとは伝えられている。また、会談に臨んだ稲田防衛大臣は、日本が防衛力をもっと強化し、責任を果たすと伝えたとも言われる。

一方、アメリカではトランプが大統領令で発した、特定7ヶ国からの渡航禁止処置などが憲法に違反すると連邦地裁が判断を下し、直後に大統領令処置は解除されたが、ホワイトハウスは控訴するとのこと。

アメリカといえども民主国家であれば、憲法が全ての法律の基準であろうから、大統領令が憲法違反と確認されれば無効になるだろう。ただし、最高裁まで行って、実際にどのような判断になるかは分からないが、ただ、この様な事が繰り返されれば大統領令が最初から相手にされなくなる。

例えば、メキシコとの国境に壁を作り、そのコストをメキシコに払わせると言っている。アメリカが壁を作る事自体は構わないだろうが、そのコストをメキシコにどうやって払わせるつもりか。国境税を設けるとのことだが、それが国際法などでは問題がないのだろうか。結局、メキシコと敵対すると公言しているような物だが。

むろん、メキシコには問題が多く、犯罪者の密入国、麻薬の流入などアメリカが苦労をしているのは事実だが、その問題を一方的に解決する事が国際法でどうなのだろうか。ただし、これは人ごととは思えない。日本には中国韓国その他の途上国などから来て、そのままになってしまっている不法在留外国人がかなりいる。豊かな国の共通した悩みと言えるだろう。ただ、メキシコの犯罪者、麻薬問題は相当深刻らしいが。

先日オーストラリアのターンブル首相と電話会談をしている最中、オーストラリア経由の難民受け入れ協定をとんでもないと一方的に破棄する旨伝え、一方的にターンブル氏を罵って、一方的に電話を切ってしまったとか。これではまた敵を作っただけではないのか。

その他、日本車を一方的に叩いて高額輸入税を課すとか、日本や中国を名指しで為替操作をしているなど、難癖としか(中国は実際に為替操作をしている)言いようのない一方的な言いがかりを付けている。これもわざわざ敵を作っているとしか思えない。

トランプはビジネスマンであり、そしてその閣僚も多くがビジネスマンであって政治の専門家は見あたらない。トランプのビジネスはとにかく高飛車に相手に押しつけ、そこから譲歩を引き出すやり方だという。まあ、アメリカのビジネスの典型と言っていいが、その中でも特にふっかけて譲歩させるやり方だ。ただ、問題は、彼がビジネスと政治の区別が付いているかどうかだが、どうもその点は疑わしい。

が、トランプのやっている事は保護貿易の強化であり、自由貿易、自由経済を破壊する物と言って良く、このままでは世界で一番自由貿易、自由経済の恩恵を受けているアメリカが一番打撃を受けると言っていい。

そしてそのアメリカで、トランプ政権の出だしが順調とは言い難い、というより最初から味噌を付けている。先に書いた特定国家からの入国禁止令が裁判所に違法と判断され、直ぐに停止されそれを不服として異議申し立てをしているとの事。アメリカの司法が最終的にどのような判断をするかは分からないが少なくとも他国や多くのアメリカ人が、彼の独善に唖然としたのではないか。

トランプはトランプなりに、以前から考えていた事を実行しようとしているだろうが、大統領は独裁者ではない。大統領が自ら違法だとされるような大統領令を出したとは、彼が事前にどれだけの検討をしたのか、大統領令が憲法違反との結論が出た場合の自分の権威がどうなるか、そもそも法律専門家に相談したのか、スタッフの中に法律専門家がいないとして、自分の行動が法的な根拠を持つかどうかの検討をするためには外部の専門家の意見を聴かなくてはならないだろうが、彼はそのような事をした形跡がない。

思いつきなのではなくかなり以前から考えていたのだろうがそれを他者に計って検討した形跡が無く、そして彼の閣僚は全てユダヤ系の実業家などに占められ、側近政治の様相を示している。

これは他国や批判者にしてみればトランプに対する、ひいてはアメリカに対する信頼を著しく損なうだろう。なにしろ、アメリカはこの様な大統領を生みだし、そしてコントロールできないのだ。実際何をするか分からない。

彼はアメリカで富を築いたビジネスマンであり、いわばアメリカの力によって成功した体験を持っている。それが彼をして思い違いをさせているのではないか、アメリカがそう決めれば世界は従う筈だと。が、それがアメリカに対し極めて大きな負担を強いてきた事実を忘れている。だから、前任者オバマが、世界の警察官の役目を降りると明言したときから中国やロシアの活動が活発化してきたのだ。

そしてトランプはアメリカファーストであり、アメリカに直接の脅威がない限り自ら出ていって戦争の種を拾うような事はしないと言っている。すなわち、オバマの言葉をそのまま踏襲しているのだ。金にならない戦争などしないと。

そのトランプが中国に対しては厳しい姿勢を採り、ロシアとは関係改善をするそうだ。これは、中国が軍事的な脅威だから激しい姿勢を採るのではなく、アメリカへ不正な価格で経済を攻撃しているとの見方が理由であって、結局は中国の経済的圧迫を無くするために中国を攻撃しているとしか見えない。

アメリカの国防費は年々減っているが、それはとりもなおさず外で戦争をし続けてきたために経済を圧迫してきたからだ。だが、トランプはその国防費を増やし、強いアメリカを作るという。が、その強いアメリカは世界のためではなく、あくまでアメリカのために強くあらねばならぬというだけのこと。そしてまた軍事産業はアメリカにとってドル箱でもある。民生品では、アメリカはすでに世界で多くの市場を奪われている。ハイテク基幹部品や製造装置、近年では国家産業であったはずの車などを日独に奪われ、中級品では韓国、普及品では中国に奪われている。また中級品などではアメリカ人が作っていてはコストが合わず競争にはならない。だからこそ、アメリカのメーカーはメキシコや中国などで作っているのだし、そしてアメリカで中級品以下の製造や肉体労働などは移民がやっている。

それを止めろと言うトランプは、アメリカ製品の競争力をさらになくし、またアメリカ人がやろうとしない肉体労働を、移民排斥で高い人件費を払わなくてはアメリカ人に働かせられない。すなわち此処でも割を食うのは消費者と言う事だ。

が、軍事産業となると話は変わる。金に糸目を付ける必要がない。だから、アメリカでは君授産業が発展し、膨大な利益を得ている。

したがって、アメリカが軍需産業を衰退させる理由がない。が、外に行って敵を探す事はしないという。では、アメリカが戦争をするには、アメリカの敵を作らなければならない。今のところそれが中国と言う事らしい。

一方、ロシアとは関係修復を考えているようだが、ヨーロッパにしてみれば煮え湯を飲まされている心境ではないだろうか。ヨーロッパにとってロシアこそ宿敵であり、遠いアジアの中国は直接の敵でもないし金を得られる国でもあって、彼らの本音としては中国などどうせ西欧人に正面から挑戦するはずが無く、日本が相手をしてくれていれば自分達は中国から金を得ていればよい事、アメリカが余計な事をすれば、ロシアがますます横暴になり、中国がどうにかなれば金蔓もなくなる・・・とまあ悪意を込めて想像してみた。が、今までの彼らのやり方を見ているとそうも言いたくなる。

閑話休題。

今、中国はアメリカに対してトランプが言うほど敵対しているわけではない。九段線が、特にアメリカの権益を侵すとは中国は考えていないと言っているし、と言うより中国がアメリカと正面切って戦い勝ち目があるとは到底考えていないだろう。なにより、力の信奉者である中国が己よりも強力なアメリカと事を構えたいとは今は思っていないだろう。それより、内部に食い込みロビー活動などで嘗てのコミュンテルンのように、或いは宋美齢をつかって、アメリカをたらし込んだように、内部から工作する事は考えるだろうしまた己を過信するアメリカはある意味実にそのような工作に弱い。

だから、トランプが中国を敵だというのは、多分に中国にしてみれば寝耳に水というか、単に貿易赤字が中国に対して大きい事をあたかも軍事的脅威のように採り上げ、一発ぶちかますと言っているトランプの本音を息を潜めて探っている最中なのではないか。

実際トランプが中国にどれだけの強攻策を採るかは分からないし、また仮に南シナ海で米中が衝突しても最初の小競り合いだけで拡大するとは思えない。双方、核を持ち出すわけには行かないのだ。一旦そのような事になってしまえば、それこそ双方どころか世界規模の破壊が起きる。

それを見越してトランプが中国を挑発し小競り合いで勝って見せ、自国の兵器の優秀さを世界に売り込むと考えれば商売のためにトランプが中国を挑発する事は考えられる。

で、万が一そうなった場合

稲田防衛相「自衛隊参加せず」 米軍の航行自由作戦

日本が首を突っ込む事は有りえない。安保条項がそうなっているばかりではなく、下手に日本が消極的にでもアメリカ支援、例えば兵站や日本国内での装備補充、点検修理などはやるかも知れないが、戦闘に出ていってこれ幸いとばかりに中国が日本を主敵として反撃し、日本が戦争の当事者、アメリカが来援者となった場合は中国にとってはこれほど都合の良い事はない。アメリカには到底適わないが日本なら飽和攻撃で勝てるし、その場合は米国を核の恫喝で手を退かせられるとは何度も書いている。実際にそうなるかではなく、アメリカが当事者ならともかく、日本が当事者でアメリカが第三者なら、アメリカは自国民の生命財産を優先する。そして、中国はめでたく面子をつぶさず、国家の偉大さを示せるというわけだ。

アメリカが手を貸せと言ってきても、それはかたくなに拒否しなければなるまい。

その意味で、アメリカが中国に対してどのような意図で挑発するのかもきちんと見極め、単に商売だけで戦争をする気なら、最初から日本は手を出さないと国際的に示しておく必要がある。トランプがそんな状況を理解しているかどうかも、と言うより理解していないと思うが、それに日本が手を貸すわけには行かない。中国をアメリカが懲らしめてくれるから嬉しいとばかりも言っていられないのだ。

いずれにせよ、トランプは追いつめられている。ポピュリズムでアメリカの低知識層、資産格差が拡大し最も多数で最も政治から遠い層の数を頼みにポピュリズムの最たるやり方で大統領になった人物としては、就任後イエスマンしか周囲に集める事が出来ず、政界とのつながりもなく就任してからも史上最低の支持率しかなく、就任に対する抗議が全米どころか全世界で繰り広げられる有様。そして、ロシアのハッキングにより対立候補クリントンのスキャンダルを握ったとさえ噂されているトランプは、まるでそれを裏付けるかのようにロシアとの蜜月ぶりを見せている。

従来支持率の低い大統領は人気挽回のために様々なパフォーマンスをしてきたが、トランプの場合はそれが際だっている。そして、そのためとも取られる特定国家からの入国禁止大統領令が憲法違反だと停止される今回の事態は、トランプがますます米国の中間層以上の反発を買い今では弾劾される可能性さえ公然と言われている。嘗てニクソンは弾劾の危機を避け辞任したが、同じ事が起きる可能性は結構高い。

ニクソンの失脚はウォーターゲート事件に依る物だが、ニクソン自身の外交能力などはかなり高く評価され、特にケネディが始めたベトナム戦争から撤退した、デタントを実現したなど、政治家としての能力は決して低くはなかった。が、トランプにはその手腕が全くなく、頼みになるのはあくまでポピュリズムしかない。

その意味で、アメリカはかつて無いほど内なる危機を迎えていると思える。すなわち、トランプが失地回復のために例によって中国を挑発し戦争を始め、その退き際を作る事が出来ないという失敗だ。従来、民主党が戦争を始め、共和党が戦争を終わらせる構図が多かったが、トランプが戦争を始めた場合、誰が止めるのかということだ。

前任者のオバマは、個人的には善人であり平和主義者であったろうが、やはり政治には殆ど素人であり、特に外交経験が皆無だった。人の言う事をよく聞くと言われているが、その閣僚から前任者の知日派などがいなくなり親中派が占めたと言われる。オバマは特に中国に対して腰が退けていた。それに対する不満をトランプは利用したとも思える。いずれにせよ、トランプが専門家の意見ではなく、自分の主張を周囲に聴かせて政策を決めているだけのように思える。一例が、今回の入国禁止処置に対し反対していた司法長官代行イェーツを、その主張直後に解任している。このようなトランプが、中国に対し、退き際を考えながら挑発できるだろうか。

そして、挑発された中国が今負ける事は中共の崩壊を招きかねないところから、トランプの思惑とは別に最後まで退き際を中国から見出す事が出来ない可能性もある。

その結果、最悪の場合、双方が核にまで手をかけるという悪夢だ。当然ながら全く抑制も無しにそこまで突っ走る訳ではないと思うが、ただ戦争など誰もが想像していなかった進展をする事もまた事実だ。

また、戦争をしようがしまいが、やはりアメリカの国家としての威信は大きく下がる。それを喜ぶのはロシアであり、最終的に以前のようにまた米国はロシアの道具になるとさえ言える。まさに歴史は繰り返すのであり、人間は過去の過ちから本当に学ぶ事が出来ない部分がある。

結論として言えるのは、日本は今WW2前夜に戻ろうとしている世界の中で、同じ過ちを絶対に繰り返さない、すなわち、アメリカに利用されるという過ちを繰り返さない決心が必要だと思うのだが。


引用記事の確認の場合は、上記のURLをクリックして元記事を参照してください

バイアメリカン 2

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前記事では、アメリカが本来どのような国であるかを描いた。が、それでもアメリカは現在日本の同盟国であり、その関係をますます深化させなければならないのは言うまでもない。

また、アメリカの日本に寄せる信頼も本物と思って良いだろうし、日本もアメリカとの同盟を信じるべきだ。少なくとも、今のアメリカは日本の信頼できる相手だと思う。が、だからといってアメリカ人の本質が日本に対してだけ特別だと言う事ではない。それを忘れなければ、今の関係は良い物だと思う。

人間の本質が変わらないと言えば、それは日本も同じなのだが、その現れ方が何処も同じと言う事ではない。余裕のあるときは人間は真摯でいられるが、本音が出るのは追いつめられたとき、苦しいときだ。今のアメリカは様々な不満が社会的に高まり、その本質が表れてきたと言えるし、それは西欧も同じだ。そして日本も苦しいときに本質が出るのだろうが、特別なのは、日本が長期の景気低迷や、もっと激しい大規模災害、例えば阪神淡路大震災、東日本大震災等の時、被災者達が奪い合いもせず互いに助け合っていた姿もまた日本人の本質であり、おそらく世界でも希有な事だろう。無論、世界でも災害にあった人々を助ける等は普通にあるが、自分達が災害に遭っているとき他者のために譲るなどは、世界では有りえない事だ。自分に余裕があるから余裕のない人を助ける事が出来る。それが当たり前だからだ。

だからこそ、当時の日本人の姿が世界中で驚愕の視線を集めた。日本人は、困ったときはお互い様、助け合うのが当たり前と思っているが、世界ではこれは極めて特殊な事である事も日本人は理解しておく必要がある。日本が特殊なのであって、世界は困難なとき奪い合うのだ。

また、一般のアメリカ人を過去の在り方によって侮辱したり罪を問う事もしてはならない。大半の彼らには日本に対する直接の責任はないといえる。ただし、彼らのイデオロギーが今は嘗てのアメリカ人と全く無関係であるわけはなく、今彼ら自体生活がそれなりに安定しているから穏やかな面を見せているだろうが、仮にその生活の質が今以上に落ちた場合、その不満を何処にぶつけるかはまた別の話だ。彼らの本質が以前から変わるわけがないからだ。

その現実が今トランプという形で目に見えてきている。いや、トランプ以前にも何か米国内に問題が起きると国をまとめるために外部に敵を作るのが米国のいつものやり方であり、此については中国と全く同じと観て良い。そしてその敵とは、嘗て戦った日本というわけだ。

一寸思いつくだけでも、東芝ココム事件、スーパー301号、捕鯨問題などなど無数にある。最近ではトヨタのプリウスが異常発進して死者が出た問題などでも、調査した結果でっち上げである事が分かったが、米国は謝罪していない。

なぜ日本が標的になるかと言えば、先に書いたように嘗て戦争で戦った相手という意識、自分達がねじ伏せた相手という意識がないと考える方が無理だろう。むろん、その後日米が親密な関係を築き同盟関係を結んだという事実は、アメリカ側の戦争前の対日意識から大きく変わったからでもあるだろう。

繰り返すが、アメリカがWW2で犯した罪は、現在のアメリカ人には直接の責任はない。が、アメリカは自身の罪を隠し事実を現在のアメリカ人に教えなかった。それでもいくらかは、自分で真実を探し出した者もいるが、大半は何が事実かなど考えないものだ。日常生活に於いて、自分達の国が日本と戦争をしたなど意識しているアメリカ人はいないだろう。そもそも他国の事など興味がないのが大半のアメリカ人だし、程度の差こそあれ日本人だって常日頃アメリカの事など考えてもいないし、先の戦争で何を日本にしたかなど考えないし、真実はどうだったかなど考えない。考えて今更アメリカを憎んでも何の足しにもならない。そこが朝鮮とは違う。まして、朝鮮は嘘を国民に教え、国民は日本が犯してもいない罪で日本を憎んでいる。そんなことは日米ともしていない。新たな摩擦は、現代起きている事だが、国家間の摩擦など何処でもあり得るし、隣国同志は利害がぶつかるだけにことさらそうなる。が、アメリカが今までメキシコ叩きもカナダ叩きもせず、日本たたきを繰り返していたのにはそれなりの理由がある事も、日本人は忘れてはならないと言っているのだ。それをしっかりとわきまえた上で、アメリカとの関係深化を勤めるべきだと言っているのだ。

また、上記のアメリカ人の潜在意識化に於ける思いがどうであろうと、だから邪悪だ卑劣だというわけではない。人間とはそんなものなのだ。自分でも知らない陰を心の中に持っていて、ある時それに気が付き自分でも驚く、人間とはそのように出来ている。

実際のアメリカ人は、普通につきあえると考えて全く問題はない。私自身、仕事でアメリカには何度か行ったし、またアメリカ人を迎えた事もあるし、一緒に仕事をした事もあるし、友達づきあいをした事もある。それぞれみんな付き合いやすい良い連中だった。もちろん、彼らの心底は知らないし、知る理由もなかったが、少なくとも普通につきあえたし、それなりに責任感もあるし仕事もきちんとやっていた。ある面では日本人よりも理解しやすかったしそしてはっきり有能だった。責任の採り方を知っているアメリカ人が多かったし、付き合うにはむしろアメリカ人の方が付き合いやすかった。

結局アメリカ人だから特別なのではなく、日本人とは違う普通の人間だという結論に至った。アメリカ人ほどではないが、フランス人ともドイツ人ともイタリア人とも中国人とも在日韓国人とも付き合い、それぞれお国柄はあるが、普通の人間だと思っている。

問題は、何々人なのではなく、国なのだ。中国人と戦争をするわけではなく、中国と戦争をする(戦争があればの話)、アメリカ人と戦争をしたのではなく、アメリカと戦争をしたのだと言えるのではないか。

だいぶ話がずれた。

そのアメリカでまたぞろ日本たたきが始まりそうだ。トランプの事だが、トランプが日本は為替を操作しているとかアメリカ車を売れなくしているなど、事実など全く無視して日本たたきをするのは、嘗ての日本たたきと変わらない。理由などないのだ。事実誤認だと日本政府などは言っているが、トランプにしてみれば日本たたきが目的なのであり、理由など最初から念頭にはない。馬鹿な低脳アメリカ人層を納得させるには、日本を叩くに限ると言うだけの事であり、安倍総理がトランプにあって誤解を解く等と言っているが、それは全く無駄だろう。トランプにしてみれば結果として日本が米国からもっと買い対日赤字を減らす為に日本が努力をすればそれで自分の言葉を実行した事になる。アメリカ企業の努力不足だとか、誤解だ認識不足だ等知った事ではない。

これも結局は彼を支持した米国の一般レベルの日本に対するイメージを端的に形にしただけの事であって誰に責任があるかなど問題にはしていない。アメリカが困ったら日本が努力する、それ以外の想定など彼らにはない。アンジェリーナ・ジョリーの残虐な日本人観が彼女の考えだしたイメージなのではなく彼女の潜在意識に存在しているようなものだ。

話し合いで解決する問題ではない。アメリカには日本とこの点で話し合いをする理由など無い。日本がアメリカの言う事を聞けばそれでOKと言う事だ。

したがって、安倍総理は言うだけの事は言っても構わないし一応言っておくべきだが、それとは別に日本の立場をむしろ国際的にアピールする等をして置いた方がよいし、別に金融緩和もしなくて良し、アメリカ車の優先輸入や輸入枠の設定など、更に不要だ。トヨタもメキシコで車を作ればよいし、今まで通りアメリカで車を作ればよいだろう。

ところで、トランプのこのやり方、即ちアメリカファーストは良いとして、一方的に特定国家からの渡航者の入国をいきなり大統領令で禁止したり、今まで受け入れていた移民を一切受け入れ停止にしたり、オーストラリアからの移民受け入れ合意を一方的に破棄し、ターンブル首相との電話で散々非難したあげく一方的に電話を途中で切ったなど、唖然とするような事をやっている。北米ナフタを破棄し、再交渉するとか、メキシコとの国境に塀を作って費用をメキシコに払わせるとか、海外でのアメリカ製品製造を止めさせたりなどなど型破りというか破天荒というか無礼というか自分勝手というか、世界中から非難がわき起こっている。もしかしたらアメリカの景気が持ち直すのではないかと一時はドル高になったが、結局トランプは長続きしないとの失望感から、昨日今日はドル安になっている。つまりアメリカといえども信頼されなければ突き放される。

先にも書いたが、アメリカが今唯一のスーパーパワーなのは他に成り代われる国がないから、消去法で残っているのがアメリカであり、それを他国が認めているからだ。他国は消去法で残ったアメリカを買っている。だが、アメリカがまるで世界の独裁者であるかのように振る舞うなら、当然その地位は簒奪される。が、現実には今のアメリカの地位に代われる存在がないなら、世界は混沌を深めるだろう。

今他国が考えているのは、いずれトランプは長くは保つまい、だから次の政権を待ってみようと言う事ではないのか。中国はアジアにとって脅威であり混乱の元であり、そしてロシアは西欧にとって疫病神である事実は変わらない。世界は、もしアメリカが本当にこのまま没落するのであれば、自分達で国を守らなければならず、そして連携できる同士の連携を深めようとするだろう。

西欧はそれでも、先進国がそろっているから良いが、アジアはそういうわけには行かない。西欧はアジアの面倒まで見てくれるわけではないが、アジアが纏まって中国に対抗する要素はない。アジアで唯一の先進国と言えば日本だけであり、そして日本は孤立無援になるわけだ。

アメリカがそれでも力を保っている間はアメリカを立てる必要があるが、それがいつまで続くか分からないのであれば、日本は自立しなければならない。バイアメリカンで本当にアメリカが買えるなら良いのだが、どうもそうではなくなるのではないか。


バイアメリカン

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本来このタイトルはトランプ大統領が様々難癖を付けているアメリカファースト、アメリカの雇用を守るために企業はアメリカでものを作れ、アメリカ製品をアメリカで売れという一連の主張を半ばあげつらったものだ。本意はアメリカ自体に買う価値があるかということだ。

トランプがそのような事を主張すればするほど、アメリカ自体が売れなくなる。それは即ちアメリカの衰退を意味する。これを書いてみたい。

アメリカが今世界唯一のスーパーパワーである事は論を待たないし、それを否定するいかなる根拠もない。圧倒的な経済規模を誇り、圧倒的な軍事力を持つ。なにしろ、世界が束になってアメリカと戦争をしても勝てないと言われるくらいだ。

が、アメリカが唯一のスーパーパワーであるのは、それだけが理由ではなく、何より他国のそれも先進国がそれを認めているからだと言って良い。そうでなければ、如何にアメリカといえども他国からの反発に耐えてその力を維持するなど到底出来ない。嘗て、世界はオランダ、スペイン、ポルトガル、そして英国に支配されていたと言っていい。

がそれらの国々は今では歴史の彼方に忘れ去られそうになっている。いや、存在は忘れられないだろうが、彼らが嘗て世界を支配していたなど、言われてもぴんと来ないだろう。

アメリカが世界唯一のスーパーパワーになったのは、明確にはWW2からだろう。なにしろ欧州は疲弊しきり、当時の白人に対する唯一の敵日本は廃墟になり、中国も混乱の極を極めていた。ソ連は火事場泥棒として戦勝国に名を連ねたが、なによりもヨーロッパ諸国の信頼が全くなかったし、それに共産主義国家だったから、世界が認める筈がなかった。

その点、米国は突出した力を保ち西欧の特に英仏を助けたことが、その後スーパーパワーとして認められた理由だと思える。

が、それは消去法としてアメリカしか適任者がいないからであって、アメリカがその役目に相応しいかというと、無論それは違う。なにより、アメリカは強固な人種差別国家であり、当時のアメリカにとっての世界とはあくまで白人世界であって、有色人種は白人と同等の存在であるなど思いもしなかった。

書き出せばきりがないが、遅れてきた白人国家アメリカが、東洋に植民地を獲得すべく動き出したときその出鼻をくじいたのは他ならぬ日本であり、日本は開国後半世紀を経ずして五大強国に列し、海外に多くの支配地域を広げていた。最盛期の日本の併合、直接支配、傀儡国家などにより支配地域は、今では想像も付かないほど広い。そして、西欧が好きなだけ分割支配していた中国が、日本のものになりかけている様に見えたとすれば、アメリカにとって日本は憎んでも憎みきれない存在だったはずだ。日本にしてみれば急速に発展する国を支えるため、海外に資源を求めていたに過ぎない。したがって、日本は支配地域ではインフラ投下をし教育を施し、自治を最大限に許していた。これは欧米の、一方的な収奪目的の植民地支配とは異なり、結果として現地の独立を戦後促す理由の一つになった。そのため、戦後独立したアジア諸国では、対日感情はむしろ非常に良い。ただし、隣の犬は別だが。

閑話休題。

アメリカにしてみれば邪魔で列島国家の日本を叩く良い機会だったに違いないし、さらに日本との戦争に負けてアジア進出を諦めざるを得なくなったソ連も、機会があれば日本を叩き潰したいと思っていたろうが、アメリカの人種差別意識および対日敵愾心を利用してアメリカ内部の工作をし、ルーズベルトを動かして対日戦争に踏み切らせた。

一つの例として対日攻撃計画書 (JB355)がある。これは、真珠湾に先立つ5ヶ月前、アメリカが中国に日本爆撃をさせる事を承認したもので、ルーズベルトがサインをしているが、実際は中国に派遣されたアメリカの空軍部隊、フライングタイガー部隊が日本の都市を爆撃する計画であった。

アメリカは真珠湾を日本の卑怯なだまし討ちと言っているが、実際にはその遥か前に日本を米国が空襲する計画を承認していたのだ。そして真珠湾攻撃についても宣戦布告をアメリカが日本大使館を騙して(非常時に騙される馬鹿も馬鹿だが)その送付を遅らせたとか、アメリカはとうの昔に真珠湾攻撃を知っていて、ポンコツ艦ばかりを残し新鋭艦は待避させていたなど、様々な事が言われている。つまり自国民をも犠牲にしたのが、ルーズベルトというわけだ。

この辺りは、私も何度も書いているので繰り返す必要もないだろうが、アメリカとは本来この様な国であり、戦後どのように変化したかのように取り繕っても、本質的には決して変わっていない事を日本は心底理解しておく必要があると言っているのだ。アメリカだけではない。西欧人の心理の奥底に本人達も気が付いていない差別意識は厳然と存在するが、それが経済的閉塞などで余裕が無くなると表面化してくる。

何も日本がそれをわざわざ書き立てる必要はないし、欧米との協力関係を築く事自体は全く問題ないというより必要だろう。が、人間は100年200年では変わらない。文化が変わらないように文化を形作り支えている人間の本質は変わらないと言っているのだ。

オーストラリアはアジア地域にある白人国家と言えるが、ほんのつい最近まで白豪主義が当然のように国を支配していた。正式には1975年の差別撤廃が法的に決められるまで、人種差別は合法だった。今でもオーストラリアには根強い人種差別意識が多く残っている事が調査で判明している。尤も、アメリカもそれに先立つ1964年公民権法が成立するまで法的な人種差別があった。いくら法律を変えても人間の本質が変わらないのは、例えば先の記事「アメリカの劣化」で書いたアンジェリーナ・ジョリーの意識しない対日本人観などがある。

今、訪日外国人が激増し、またネットなどによる日本紹介記事の拡散などで日本の治安の良さ、人間の良さなどが伝えられるようになったのは良い事だが、彼らの対日観が本物であろうと、それが彼らの本質をどれだけ変えるかはまた別の話だし、更に彼らの国の対日観をどれだけ変えるかもまた別の話だ。

いずれは変わってゆくのだろうが、そうそう簡単に変わるわけではない。テクノロジーの進化により、昔は到底知る事が出来なかった地球の裏側の出来事でもほんの一瞬で伝わってくるし、また情報量も処理しきれないほど膨大だが、それを処理する人間が変わるには一代では到底無理であり、変わる意志があって最低三代はかかると見て良い。国や民族によっては1000年経っても変わらないし、むしろ人間の変化はその方が近いと見て良い。

いくら近代テクノロジーを利用しても18世紀のカリフ制に回帰しようとしているISや、1000年以上も同じ事を繰り返している中国、自力では絶対に国家運営の出来ない永遠の中国の属国朝鮮など、人間の意識の変化はテクノロジーの変化とは関係がないというしかない。見かけ上世界がめまぐるしく変化しているかのように見えるが、今から100年、200年前の世界の進化速度は人間の進化変化とちょうど釣り合っていたのだろう。が、今はそれが狂ってきている。それもまた世界のひずみ拡大、即ち変化できる国の変化できない国の開きなどの形で表れていると思える。

さて、アメリカはどうなのか。アメリカはテクノロジーの進化と人間の進化が最もずれている国の一つと言えるのではないか。そのずれがどうしようもなく処理できなくなり、その結果が近年のアメリカの在り方だと見れば納得が行く。

一つの例として、アメリカは金で法律がどうにでもなる。経験を積んだ政治家などがその経歴を生かしてロビー活動を仕事とするなどは普通に見られるが、そのロビー活動は金で政治を動かす仕事だ。そもそもアメリカのディベートは、自分の信じている事とは無関係に、自分にとって利益のある主張を通す技術であり、それを教えるのがビジネススクールやロースクールなのであり、金でロビー活動をする連中が自分の理想や新年で動いているわけではない。より多くの金をくれるスポンサーのために働く。

結局、嘗てソ連の工作で対日戦争を始めた時のままが今のアメリカなのだ。資産家も政治を自分達のために作るためにロビー活動をする。結果、アメリカの資産家は法に守られ、資産格差はかつて無いほど広がり、今までアメリカンドリームという言葉に騙されていた非知識層が不満を爆発させた、或いは彼らを利用したトランプが大統領になった。

この事実を決して日本は軽視してはならない。

トランプはつい先頃、特定7ヶ国からの渡航者の受け入れを拒否し、全ての難民を拒否する大統領令に署名し、そのため多くの人間が逮捕されたり空港に足止めされる事態になった。これに対し、多くの州が憲法違反だとして非難声明を出し、直ぐに憲法審査に入る手続きを始めた。また司法省でこの大統領令に反対した司法長官代行をトランプは解任した。

大統領令とは議会の承認を必要としない法令のようなもので、アメリカ大統領ならの強い権限を示しているが、ただし憲法違反と判断されれば効力を失う。驚くのは、トランプの周囲にまともに彼を抑える人間が居ないと言う事だ。先に、やはり「アメリカの劣化」で、トランプが周りにイエスマンばかりを置き、まさに側近政治だと書いたが、早くもその在り方が明らかに見えたということだ。

また、当然と言えば当然だが、アメリカ国内だけではなく、世界の大半からこのトランプのやり方に批判が巻き起こり、国内でも反トランプデモが大変な規模で巻き起こっている。今のところトランプはこの大統領令を撤回する様子は見せないが、仮に憲法違反であるとの裁定が下れば、自動的にこの命令は無効になる。

今でさえ、トランプ大統領選挙から続いているアメリカ分断がますます強まってきている。それは紛れもなくアメリカが他国からの信頼を失い、自らスーパーパワーの地位を追われる原因を作っていると言っていい。ただし、オバマ前大統領は自ら世界の秩序を守る役目をアメリカは果たす事を止めたと言っている。そしてトランプがこの有様では、アメリカが信頼を失うのは目に見えている。むろん、それでもアメリカは圧倒的な経済力と軍事力、科学技術力を備えているが、ただ、他国に認められる事で得ている今の地位を、今度は単独で守るつもりなら、その負担は極めて大きくなる。

そもそもオバマが世界の秩序をアメリカが守るのは止めた、と言ったのはそのためのコストが膨大になりすぎ、経済力の規模に比べてアメリカ人の生活が決して向上していない事実などがあったからだろう。

さらに、アメリカは資本主義の最も悪しき面、即ち金が政治を支配し、資産によるかつて無いほどの格差社会を作りそれを固定化してしまった。

ただ、問題はアメリカが今の地位から降りる、或いは追われた場合、その後を誰が担うかだが、どの国もそのつもりはないし、その力もない。軍事力で言えばロシアや中国と言うところだろうが、当然ながら両国が信頼される要素は何もなく、仮に彼らが世界制覇を目指すとすれば世界が寄ってたかって阻止するだろう。また、彼らもその負担を自らになうつもりはなさそうだ。

即ち、いくら駄目でも今のところアメリカに代わる国がないのだ。中国やロシアが台頭するくらいなら、いくら自分勝手でも馬鹿でもアメリカを立てて置いた方がよい。今世界にあるのはそんな思惑ではないのか。

というのは、アメリカはそれでも自浄作用があるからだ。トランプを大統領にしたのはあくまでアメリカ人だが、そのトランプに対しアメリカ国内ではかつて無いほどの反感が盛り上がっている。元々、アメリカには政府に対する武力行使も正当化される主張しているミリシア、武装した民間武力組織があり、もともと銃器所有が合法化されているアメリカでは、政府に対する市民の武力蜂起が単なる想定ではなく事実としてあり得る。

仮にトランプによるアメリカ分断がミリシア蜂起による内戦になったらどうなるのかとさえ思えるくらいだ。

が、むろん、それは最悪の事態であり、その前にアメリカの自浄作用がトランプを辞任に追い込み、或いは一期のみの大統領として於いて直ぐに次の大統領が国内をまとめる事に他国は期待しているとも見える。

またトランプは史上最高齢の大統領でありすでに70歳だが、任期を終えるときには74歳、次の任期を終えるとすれば78歳になる。彼にはそんな時間を待つ余裕は無いとも言える。

アメリカの自浄作用が働けば、今のトランプが早ければ一年を待たずして解任され、アメリカは大きく触れ戻して世界の理解と協力を得る努力をするのではないかと言うわけだ。

ー 続く
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